(今日は、松山から海を渡って本州へ移動し、防府から岡山までをいく部分です。相変わらず文字ばっかりですいません。シーンが繋がっていないところは削除した部分ですので気にしないでください)

11. 西日本/防府・三原

あさ9時30分に漫画喫茶を出た。気は狂っていなかった。今日はもう松山を離れる日だ。ここにいたら気が狂ってしまう。やり残したことはない。ああ、そういえば風呂に入ってない。せっかくだから松山退去前に朝風呂に入っていこうと銭湯を探したが、やっているところは無かった。廃業した銭湯の主人と話をして、朝から営業しているのはおそらく道後本館しかないだろうとのことだった。あきらめて電車に乗って三津浜へ向かった。大手町から250円の切符を買って乗車。三津浜駅からは歩いてフェリー乗り場へ。天気が悪い。梅雨だし。雨が降ったようでアスファルトは濡れている。いまにもまた振り出しそうな空模様だ。

港には「1日16便 松山〜柳井フェリー」と書かれたこじんまりした建物があった。そこで2,900円でチケットを購入した。特に何便かは指定されておらず、1日有効な券で、どの船に乗ってもいいようだ。建物には「松山―柳井フェリー」、チケットには「オレンジライン」、「防予汽船」、「瀬戸内ハイウェイフェリー」、と様々な名称が書かれており、結局なんという航路なのかは不明だ。複数の船会社が相乗りしているのだろうか。本州と四国を繋ぐ橋が出来てから瀬戸内海航路はずっと厳しいんだと思う。でも、この航路はずっと先まで生き残るのではないだろうか。ひとくちに瀬戸内海を渡ると言っても、本州は横に長い。 松山から柳井まで橋を使って行くとなると莫大な時間と金がかかってしまことは容易に想像できる。それがこの船に乗れば、最短距離を2,900円、所要2時間半でいけるのだ。

船が来るまで少し時間があったので、サイダーを買って待つことにした。サイダーを飲みながら、ケータイで中国地方の裏風俗情報を入念に再確認していく。三原のちょんの間と、防府のちょんの間。これがターゲットだ。どちらも完全な資料は用意が出来なかった。そもそもムック本やエロ雑誌ではどちらのエリアの情報も見た事が無い。ネットの情報だけが頼りだ。何度も何度もネットの同じ文言を読んだ。これが事実だとすると、相当に手ごわい相手となる。おそらく史上最高クラスのものだろう。

おおよその場所は見当がつくから、あとは現地で歩いて探そう。まずは……場所的に防府が先だ。防府についたら夕方になるので、いずれにしても防府で1泊せねばならないだろう。目的地は駅からは少し離れているはずだ。

発射できる可能性は、防府が80%、三原が66%くらいだ。この数値は、まだ壊滅せずに営業していてプレイが出来る可能性だ。営業しておれば、場所は90%くらいで見つけられる自信がある。もし見つけたら100%発射する。発射に成功したらブルース溢れる報告書になることは間違いないだろう。

防府駅につくと雨が上がった。観光地ではなく、オフィス街でもない。新幹線も停まらない。そんなところだ。海の方へ行くと工場が沢山あるらしいが、海がある土地にはみえず、どちらかというと山間の都市のようだというのが私の第一印象だった。駅前にはショッピングセンターがあり、1階にマクドナルドが入っている。パチンコ屋や消費者金融の看板もなくて、すっきりしている。この駅を利用するのは工場関係のビジネスマンばかりなのかもしれない。

この防府の街で1泊することは決定しているので、まずは宿探しをすることにした。ただ、探すも何もホテル以外に泊まるところは無いのは一目瞭然だったので、駅の北口の方にあったスーパーホテルに行ってみた。エントランスを入った瞬間にあいにく満室だと言われた。おかしいなそんなことあるのかと思いながらも、ならもう1軒のルートインということで行ってみる。こちらのエントランスはバカでかく、パルテノンみたいな丸い柱が2本立っている。ビジネスホテルとはいえ、スーパーホテルよりお高そうな感じだ。ああそうかと気づいて、汚い格好をできるだけ綺麗に見えるようにザックを下ろして体で隠すように手で持って、自動ドアをくぐった。ロビーからフロントまでは、キョロキョロせずに歩いて、対応してくれたフロント嬢に、いかにもビジネスでやってきた風を装って、「予約はしていないのですが…」と丁寧に切り出してみると、制服姿のフロント嬢は、「はい、お部屋ご用意できます。1泊5,000円となりますが、」と答えてくれた。

私は金を払って、ルームキーを受け取り、今夜の宿を確保することが出来た。向こうのホテルは週末だから混んでいたのだろう。

部屋に入るとベッドに飛び込む。あああ具合がいい。ベッドとはこんなに優れたものだったのか。サウナや満喫のリクライニングとは比べ物にならない。寝ることも出来る家具ではなく、寝るための家具なのだ。ごろんと仰向けにかえって、目をつぶってみる。頭から足まで自分の体が柔らかい物の上にある。どんどん眠くなってくる。

いま、自分はいったい何をしているんだろう。眠いし、このまま寝てしまいたい。だからホテルに泊まるとダメなんだ。とたんにモチベーションが下がってしまう。

頑張って眼を開けて、壁を見る。三田尻、かいち、これから行く売春街は、そのように呼ばれているらしい。なんでも遊廓があったらしいが。ケータイでMAPを出して、画面上で距離を計測してみる。ネット情報ではタクシーに乗ってと書かれているが、歩けそうな距離だ。

暫くだらだらしていたが、やっと気分を奮い立たせて今日の目的地である三田尻へと行くことにした。ロビーへと降りて出口へ向かうと、フロント嬢が「いってらっしゃいませ」と言うのが背中で聞こえた。

☆000

翌朝9時55分。目が覚めると、昨夜の、すべて片方に振った自分の行動を思い出し、良い判断だったなと、ひとり納得した。あのプレイには審査員は10点満点をつけざるを得ないだろう。荷物をまとめてホテルをチェックアウトした。 難しいゲームを取れたということ、スクープもとれたという事で、すぐに次の街に進んで売春地帯を探そうと、探さなければならないという切羽詰まった気持ちが無くなっていた。少しくらい休んでも許されるだろう。数時間、昼過ぎくらいまでは。

何をしようか。防府の観光でもしてみようか。駅で防府の観光地を調べてみる。きのうの売春婦は「防府は何もない」といっていた。何か有名なとこあるか聞いたら「ない」と0.3秒で即答された。何もないけど凄い売春地帯はあったから、その凄い写真を撮ろうかとも思ったが、さすがに数キロ歩くのは難儀だし、かといってタクシーに乗りたいとも思えない。なにより、プレイしてるんだから、明るい時に写真を撮るという行為が低レベルなものに思えてしまう。朝の姿なぞ見ずに、昨夜プレイしたままの記憶でここを去る方が思い出的には良いだろう。

じゃあ、防府天満宮を見に行こうか。 「明日は防府天満宮でも見ていきんさい」と言われたしな。

三原駅は新幹線が停まる駅だ。少し前までは、ここから瀬戸内海の島々に渡るフェリーがさかんに発着していた。三原駅から徒歩ですぐにフェリー乗り場へ行ける。大三島や因島に渡るフェリーは全てこの桟橋に集約されているのだ。素人目にも解る港の街だ。

栄えているのは、港のある駅の南側。北側は学校と城跡。ケータイサイトでは、北側に旅館があるという。たしかに南側は開けすぎているから、あるとしたら北側だろう。夕刻に船を下りて、あるいは翌朝の船に乗る商人なんかが泊まるビジネス旅館があるのではなかろうか。電車から船に、船から電車に乗り継ぐ地点だから、乗り継ぎが悪ければ泊まるしかないって事だろう。その旅館が女も手配してということでは……。

城跡を一周してみる。毛利の城跡かな。べつに観光地ということでもなさそうだ。旅館はないだろうか。注意して歩くが、怪しい痕跡が全くない。若松以上に何も見当たらない。ないね、これは……。1周し終わって駅に戻ってきたところでケータイを取り出してネットへ接続。

ケータイサイトの情報がガセなのだろうか。このサイト以外にはまったくヒットしない。一昔前にはあったのだろうか。瀬戸内海を渡って四国まで行ける橋が出来たのがおよそ10年前。10年の間にフェリーとともに消えていったのだろうか。

では、ということで宿場町系のサイトで調べると、なにやら有用な情報が出てきた。すぐ隣の糸崎に遊郭があったらしい。糸崎について調べると、すぐ隣、というか歩いていけそうな位置に糸崎駅がある。もともと糸崎駅の位置に昔の三原駅があったのだという。そして、むかしはここが山陽本線の重要駅で、70〜80年代は、特急も夜行も必ず停まる偉い駅だったようだ。

なるほど、そういう街にはありますから。セックスの施設が。 いってみよう。三原駅北側をこれ以上調べるよりも、糸崎へ行った方が絶対にいい。なにかあるかもしれない。遊郭跡地というのも強力な材料だ。

電車に乗って1つ隣の糸崎へ。巨大な駅の敷地に、線路が並んでいる。しかし誰もいない。黄色いヘルメットをかぶった保線員が連結作業をしている。とりあえず駅の写真を撮ってから、外に出てみることにした。

誰もおらんやんけ。なんじゃこの街は。いやあ、これはちょっとどうかな。三原の方が可能性高そうだな。駅近辺はどう頑張ってもなさそうなので、遊郭跡を見に行ってみよう。なにかあるかもしれない。

宿場町のサイトには、糸崎の遊郭跡は駅の西に徒歩10分と書いてある。ところが西に歩くも港の気配がない。地図を見ると……これはたぶん東じゃないかな。すっかり暗くなった道をずんずんあるいて、途中で陸橋で線路を超えて、とにかく海の方を目指して東に行くと遊郭風味の建物がある小さい港に出た。ああ、これか。暗くてよくわからないが、雰囲気は残っている。ここで間違いないな。防波堤際の道を歩いてみる。波の音が心地いい。ああ、これは知識人が言う日本の一昔前の風景とかいうやつだな。

裏手側にも日本家屋が続いている。だいたいの街の規模が解ったところで、堤防まで戻ってくる。真っ暗で静かな小さな街。やはり波の音だけが聞こえる。港、瀬戸内海、そういった街なんだろうなあと思った。なんというか、料理で言うと薄口醤油ぽい感じだ。ちょんの間は100%ないね。ブルースの欠片はあるか……。。

☆000

糸崎駅から、21時37分の岡山行の電車に乗った。今夜の宿を探さないといけない。山陽線沿いでサウナがありそうな最寄りの街は福山・倉敷・岡山だが、確実な岡山まで行った方が良いだろう。三原は空振りに終わったが、糸崎のブルースの欠片で報告書は書けるだろう。メモっておこう。

この電車で今日中に岡山にはたどり着ける。ノートにメモをつけながら三原の捜査をどのように報告書にするか考える。ブルースっても欠片が小さすぎて書くことねーじゃんよ。下手に書いたら三原駅で旅館をもっと探すべきだったって事になってしまいそうだ。てゆうか疲れたし。腹減ったし。悩んでいるうちに23時に岡山駅に着いた。

駅を出ると、いいかげん腹が減っていたので松屋に入ってマーボーカレーを注文。590円。食っていると体力が回復してきた。四国行きの電車の時刻を調べると最終が0時17分らしい。いくかどうするか迷う。なんだかんだ体力的には行けそうだ。高松で1泊するか、岡山で1泊するか。迷いながら岡山駅で良さげな宿があるかを探す。すると駅近くにサウナを発見した。1泊2,100円。安い。めちゃくちゃ安い。だったらここで良いということで、ここで泊ることにした。 今日は10,437円使って、大半が電車代だった。これまでの行程で184,416円使っている計算だ。これから四国へ行くのは間違いない。そのあとはどうしようかを考える。自分の中で、電車の旅が楽しくて仕方が無くなっているのだ。夜行電車に乗ってみたい。そう思えてきた。バイクが直るまでの電車旅だったのに、もっと続けたいのだ。7月に入っても梅雨はまだあけていないだろう。なおさら電車でもうすこし旅をした方が理にかなっているんではないか。そんな気もする。四国では高知に行くことは決めている。じゃあそのあとは鈍行で東日本へ行くのもいい。資料の準備に数日かけたらちょうどいいんじゃないか。体も休まるし、3〜4日は大阪で停滞したらいいんだ。



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