指令:ゾンビと交われ





防府市。「ほうふし」と読む。山口市の隣にあるのだが、そんなことを知っている日本人は殆どいない。新幹線が通っているのだが駅が無いという、悲しい都市の典型である。なんかレンゴーとかマツダとかブリジストンとか工場が沢山あって、どっちか言うとそれメインなんですよっって感じです。

戦中は陸軍飛行場があり、現在は航空自衛隊の基地となっている。マクドナルドに制服姿の青年が現れ、メガマックをほお張ってる姿を見たり出来るナイスな街。

日本三天神である防府天満宮、毛利氏の庭園とか、それなりに凄い観光地があるのだが、そんなん知ってる日本人はやっぱり殆どいない。世界遺産の白川郷より毛利氏の庭園の方が見応えあるんですけどね。勿体無いですね。

表の風俗店は無い。三田尻のちょんの間の由来は、遊郭と思われる。文献に三田尻遊郭の記述がある。





捜査官は、山口県の防府にいた。

ここにはリフレッシャーの間で語り継がれる、世にも恐ろしいスポットがあるのだ。通称、三田尻(みたじり)。または開地(かいち)とも言うらしい。

天王新地を上回るインパクトをもったスポットは、もう日本には無いと思っていた。そして、天王新地で大車輪した自分にこそ金メダルが授与されてしかりと思っていた。(ファイルナンバー71参照)


それは大変な間違いであった。


どれほどやばいか。ネットで調べてみた。そこにはこのようにある。

「過去の遺跡として散策すればいい」

遊郭跡を紹介するサイトで取り上げられている。えっと、まだ現役娼婦がそこにいてるらしいのですが。遺跡にしてしまっていいんでしょうか。ババアも一緒に化石化しているのだろうか。

「怪奇スポットとしてオカルト板から誘導されました」

風俗サイトではなく、怪奇スポットを紹介するサイトでとりあげられているのだ。もはやジャンル自体が全く違うぞ。

「車で通ったとき、ゾンビに襲われるのかと思った。」

きっと、ピンクのネオンに照らされたババアの顔は、ゾンビのように見えたのであろう。実に率直な意見で参考になりますね。


普通に考えたら無理というか、風俗じゃないですね。もしかしたらこれがきっかけで、チンコが立たない病気になってしまう危険性までありますね。捜査史上最もデンジャーなスポットであることは間違いないですね。それでも私は行きますよ。捜査官ですから。





JR防府駅を出ると、まず駅前のホテルにチェックインする。荷物を整理してシャワーを浴びてベッドに横になると、睡魔が襲ってきた。とてもこれから捜査がある雰囲気ではない。おまけに外は雨が降っている。


しばらくだらだらしていたが、ようやくゾンビ狩りに行くことにする。フロント嬢の「行ってらっしゃいませ」を背に外へ出る。

問題の「かいち」は、防府駅から数KM。普通はタクシーでも使うのだろうが、急ぐわけでもないので歩くことにした。道はさほど複雑でもなく、迷うことなく三田尻3丁目の表示があるところまでやって来た。そして、協和発酵の工場のある大通りから脇道に入って50Mほどの場所に「かいち」があった。

静かな住宅街の中に、プレハブのスナックが点々と並んでいる。まずは1周ぐるっと回ってみる。多くのスナックは廃屋と化している。屋号を判別できる看板が出ている建物が7軒。きらら・みすず・あすか・よしのや・ころな・ちよ・まちかど うち5軒は廃業したようで、入り口は閉まっている。空いているのは2軒のみ。「ちよ」と「まちかど」である。

19時ジャスト。さりげなく2店舗の前を通ってみることにした。ゾンビに襲われる危険があるので、細心の注意を払ってだ。

ちよに3名・街角に3名の女らしき生物がいることを確認する。


凄い。
これは凄い。
とにかく凄い。
こんなに凄くていいのか。


あまりの衝撃に、いったん大通りへと退却する。建物の中にはゾンビがいた・・・。私は・・、私はこの目で見た!


それから約1時間の間。考えた。

絶対寝たくない。

そこまでして何の意味があるんだ?

そうだ、調べた事にして報告書を書いてもわからないって。
それか頑張ったんだけどダメだったってことにしたらいいんだ。
あるいは体調が悪くなって引き返したことにしても許されるよ。
世間はみんなそうしてるじゃないか。財務省だって農林水産省だって内閣総理大臣だって。


しかし、ここまで来て引き返してもいいのか。

それをすると捜査当局の存在意義が無くなる。
それすなわち自分の人生を否定することになる。

ここで行かなければ、きっと一生後悔する。




20時。「まちかど」へと行ってみる。女が一人増え、4人になっていた。私は一瞬の躊躇無く中に入って、開口一番「遊べるんですか?」と聞いてみた。手前にいた狼のような婆さんが立ち上がって、「遊べるよ」と言ってくれた。「いくら?」との問いには、「15000円プラスホテル代」との答え。

「じゃあ、それで」

「どの子にする?どの子でもいいよ。あの子でもこの子でも」

この狼婆は、やり手なのだろうか・・それとも売春婦なのだろうか。よくわからないが、よそのエリアでいうところのやり手婆と同じ容姿である。


私は促され、髪の短い細身の骸骨のようなお婆さんを指名した。誰でも良かったのだが、たまたま目の前に座ってたから。 年齢は推定で60歳。

私は15000円を出し、ホテルへ移動することになった。

「あんた車か?」

「いえ、歩いて・・」

「じゃああんた車に乗せていってき」

どうやら骸骨婆さんの車でホテルまで行くことになるようだ。私の指名した骸骨婆はあまり喋らず寡黙だった。でも愛想は決して悪くなかった。店の横に止めてあった白の軽の助手席に乗り込む。車を走らせながら骸骨女が聞いてきた。

「3Pしない?」

「・・・・!!・・・・!!・・・い、いいくら?」
かろうじて声を絞り出す私。次々襲い掛かる衝撃的な現実に、もう卒倒しそうだ。

「15000円づつになるね」

ということは、総投資3万+ホテル代である。

私はそのとき、「その男は金で仕事を選ばない、内容で選ぶのだ」というミスターデューク東郷の言葉を思い出した。

私もその通りだと思う。その依頼、プロの竿師なら受けるしかない。2人まとめて私のマグナム弾を姦通させてやろうではないか。


本日の捜査内容はグレードアップした


捜査指令:大金を払ってゾンビ2体と3Pしろ ああ、私は本当のプロだな。自ら死地に飛び込むなんて。



「高いから無理だよ」と突っぱねる。ディスカウントできることはわかっている。そうすると「じゃあ、10000円でもOKよ」とすぐに値引価格が提示された。

「うーん、でもやめとくよ」

「じゃあ、どれだけだせる?」

これはたぶん5000円でも3Pにできるだろう。ためしに3000円っていってみるか?いや、しかしそれはあまりに馬鹿にした発言だろう。

私が次の1手を考えていると、骸骨婆が「5000円くらいなら出せる?」と聞いてきた。オレが「うん」と返事をすると、車は来た道を戻り始めた。

道中、「どの子がいい?」と聞かれるが、「どの子でもいいよ。まかせるよ」と答える。先程からのやりとりで、骸骨婆が、オレに最初に声をかけた狼婆に気を使っているのが解ったからだ。


案の定、「最初に声をかけたあの人でもいい?」と聞いてくる骸骨。


こうして3Pの相手が決まった。



車がスナックに横付けされると狼婆が慌てた様子で出てきた。「どうしたん!?」

骸骨婆は車を降りると、こう言った。

「奥さん乗りんさい。3Pするけえ」

私には最後の審判に聞こえた。





「おにいちゃん、ありがとうな!」狼女を後部座席に乗せ、車は走り出す。ホテルへ向かう車内で2人の女から「気持ちイイことしたるから。おばちゃんらに任せとき」と、脅迫としか思えない発言を繰り返され、私は失神しないよう正気を保つのが精一杯だった。誘拐されて車に押し込まれた人の心境とはこんな感じなのだろうか。

田んぼの中に建つラブホテルに着いた。休憩4500円。もちろん払うのは私だ。

田舎の1軒モーテル。これから始まる饗宴にはピッタリの立地条件である。「へへへ、大声を出しても誰にも聞こえないぜ」っていう状況だ。あれはB級アメリカ映画の中だけだと思っていたのに。

私は部屋に入るなり、いかなる状況でも勃起する効果のあるファイザー製薬の錠剤を取り出し、すぐに効くように錠剤を噛み砕いて水と一緒に飲み込んだ。「石に噛り付いてでも」という例えが実践された瞬間である。(いや、違うか・・)



どうしようもない心境である。たとえが見つからない。

狼婆は風呂場の蛇口をひねり、テレビのエロいチャンネルを付けて宴の準備を始める。

私はソファに座ってインスタント珈琲を飲む。その間にも着々と風呂に湯が溜まっていく。この湯が湯船から溢れたら饗宴がスタートしてしまうのだ。

そして、その時が来た。


せめて風呂は一人で入りたかったのだが、狼婆が一緒に入ってきて、スポンジでオレの体を洗い始めた。もう気が狂いそうだ。

風呂が終わると、次はベッドである。両脇をババアにがっちりと挟まれる。生きた心地がしない。

狼婆がフェラ。骸骨婆が乳首舐め。やばい。気が狂う。

薬のせいですぐに勃起。よし挿入だ。もちろんスキンは無しだ。ここまで引っ張っておいて安全装置付では日本を代表する竿師にはなれない。当然、生挿入中出しだ。

狼婆に挿入する。濡れている。濡らすな。しばらく腰を振って、隣に寝そべる骸骨婆にチンコを入れ替える。ああ。確かに3Pしてるな。これが3Pっていうプレイ。確か男が憧れる王様プレイの一つだったな・・。


入れる時、浅いから奥まで入らないかも。と言われる。

入れてみるとほんとに浅い。こんなに浅いのは初めてだ。そして、チンコを入れながら思ったが、この婆は、70歳を超えているかもしれない。肌が老人なのだ。手や顔に皺があるというレベルではなく、全身にしわがある。本当に老人である。今までいろんな女と寝てきたが、ここまで体がエイリアンになっている女は見たことがない。矢追純一UFOスペシャルに出てくる、華奢な体にアーモンド形の眼をしたグレイタイプの宇宙人ね。


奥にチンコを当ててみると、苦しそうな顔をする。第一濡れてもいないのだ。セックスしてはいけない年齢なのではないか。そういえば女は何歳までセックス出来るのだろう。私は心配になってきた。

ぷーぷーマンぺを鳴らしながらピストンする。もういいだろう。再び狼婆に挿入する。しかし射精出来ない。気持ち良くもなんともない。

目をつぶって腰を振る。目をつぶった闇の向こうで「一緒にいこう」というババアのダミ声が聞こえる。頼む。黙っててくれ。

ダメだ。いかない。チンコを抜く。


だが、こういう世話焼の婆は、やさしいのを知っている。いかなければ必ず頑張ってくれるのだ。「尺八したるから」と言ってフェラをする。薬のんでるのでとりあえずは立つ。

そこにあるのは立った竿。開いた穴。

そこにマンコ穴がある限り。ああああああああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜(銀河系最強のブラックホールに吸い込まれる人の断末魔)

お約束の第2段ロケットブースター点火。


捜査指令:何が何でも膣内で射精しろ 逝っていいですか?逝って・・




しかたなく入れる。いかないが、いかなければ竿師ではない。


ピストン。ピストン。ピストン。

いけ!いけ!俺のチンコ!いけ!いってくれ!

ピストン。ピストン。ピストン。
ピストン。ピストン。ピストン。

起これビッグバン!新しい宇宙を創造せよ!新世紀を創るのだ!!←最後、心の中はこんなでした


ピストン。ピストン。ピストン。
ピストン。ピストン。ピストン。
ピストン。ピストン。ピストン。









「あー、よかったね〜。」

ババアの声で我に帰る。

奇跡が起こり、スペルマは発射されたのだ。


風呂に入って2名がかりで綺麗にされる。服を着て帰ることになった。私は開放されるのだ。


帰りの車中、今後の展望を聞いてみる。景気は悪いなんてものではなく、暇の一言らしい。2年前には22歳の大阪出身の女がいたらしいが、それ以降若い女は働いていないと言う。営業しているのは2軒。営業時間17時〜25時。


車の中で骸骨婆は「1000円ずつチップちょうだい」と言ってきた。1000円ずつの小遣いを渡す。

「兄ちゃんありがとうな」

日本はこれでいいのだろうか。こんな年寄りに私が小遣い渡して。





帰りは婆の車で駅前のホテルまで送ってもらう。車の後部座席から一人で出てこれない狼婆に介護を行い、助手席に乗せる。はたから見ればケアサービス中に見えたかもしれない・・・いえ、失言。御無礼。





捜査地点:ここらへん




捜査報告書:ゾンビと3Pして26500円也



おまけ


防府天満宮

東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ




お小遣い帳 7日目
伊予鉄切符/松山→三津浜 250円
フェリー/三津浜港→柳井港 2,900円
JR切符/柳井港→防府 1,110円
宿代 5,000円
飯 1,465円
ロマン代金 26,500円
合計 37,225円


続きを読む/トップへ/一つ戻る