10. 西日本/松山

(完全版の第10回目です。すいません、予定よりアップが遅くなってしまいました。 今日は松山に滞在中の記録です。前回まで滞在していた大分からフェリーで愛媛まで移動するシーンについて地図付きで補足説明する予定でしたが、 めんどくさいのでやめときます。松山の繁華街に着いたところと、土橋のところを抜き出してみます。)


松山には有名な風俗エリアが存在し、ソープランドやヘルスが沢山ある。これらに行くつもりはない。もっと古びた非合法のところへ行くのだ。道後温泉には遊廓があった。その遊郭跡地にちょんの間がある。これはネオン坂というのだが、そこへは行ったことがあるので、別のところを探してみようと思っている。大街道の近くに1か所と、市街中心から少し離れたところに1か所あるらしいのだ。紙の詳しい資料は用意できなかったが、ネットではけっこうヒットする。おそらくまだ広く知られていないちょんの間があるのだと思う。ネットの情報でも確定的なのは出ていないので、いろいろな断片的な情報を組み合わせて場所を突き止めていくしかない。まずは大街道の近くにあると思われる売春宿を探してみることにした。

難航すると思われた目的地探しは、あっけなく終わった。千舟町というあたりに案内役のババアが多数いたからだ。レーダーが距離30mでババアを捉えて100%ポン引きで間違いがないと判断している。時刻は20:30。いくことにした。私が接近するのを察知した一人のババアが道の向こうから寄って来る。2,3の問答の後、女を買うのは安いので8,000円、高いので12,000円だと言われた。


捜査ファイルは117です。


腹が空いたので何か食べることに。といってもグルメ禁止なのでここになる。吉野家。せめてもの贅沢にと380円の牛丼ではなく、580円の鰻丼をオーダー。うまいっ! そのあとはケータイの充電が少なかったのでマクナルに入って充電。充電しながらもう1つのエリアについて調べる。「土橋」という場所にあるらしい。業態はちょんの間だと思われる。

発見できるかもわからないし、発見したところで時間的に営業は終了しているだろう。時間が遅いので今日は下見で、明日をプレイにすることにした。発見できた場合は、具体的にどんなプレイ環境かを見ておきたい。なんせプレイに関する情報が全くないのだ。「土橋駅の近く」「5000円」「ちょんのま」、これくらいの噂話程度の情報しかない。でも複数のサイトから同じような情報が抽出されているので、何かはあるのだろう。

24時になったので出発することにした。ケータイで土橋駅までの距離を調べる。歩いて行けそうだ。

土橋駅が近くなるとケータイを取り出しGPSで歩いたところを記録していく。この駅から「駅近く」と表現されるべき距離の道をすべて歩けば見つかるだろう。まずはこの大きな交差点から内側のゾーンに絞るべきだな。これの内側の、駅を中心としたゾーンのどこかにあるはずだ。そこはかとなく匂ってきやがる。

手前側の道から行こう。

ううん、売春施設がありそうな雰囲気はない。これはいたって普通の道だ。車もそれなりに通る幹線道路。病院があって、学校のようなものがある。道はずっとまっすぐ伸びており、まさかこの道沿いにあるとも思えない。もっと人目につかない路地にひっそりと存在しているはずだ。

ここに踏切がある。これが「駅近く」の基準点になるかなと考えて、あたりの様子をうかがう。絶対に近くにはある。匂う。この線路の奥の方が怪しい。線路の奥の方へ回り込む道はないだろうか。そのように思ってあたりを精査し始めたとき、まさに目の前に探し求めていたそれがあったのである。

いま深夜1時だ。「ここ売春できるところ」と書かれているわけではないが、これに間違いないだろう。どうやら道が2筋あって、どちらも奥がどのようになっているのかは不明。 真っ暗だ。表通りからして既に真っ暗なのだが、この2本の筋は光を飲み込んでしまうブラックホールのように漆黒の闇で、侵入することすら不可能に思えた。

これはすげえな‥・。思わず漫画みたいなセリフを呟いた。

今日の営業はもう終了している。おそらく24時までなのだろう。下見しておいてよかった。明日はたぶん20時くらいに来るのがいいだろう。

再び街へと歩いて戻り、松山市駅前。これから寝るところを確保しないといけない。徒歩でお城の方へ向かう。ケータイで調べた1,500円のサウナへ行こうとしたが、着いてみると、そのサウナは深夜料金がたったの100円だった。ということは1,600円で一泊できることになる。さすがに入るのが怖い。疲れているので入りたいのだが、ベアーに襲われるやつじゃないのか、これは。葛藤の末けっきょくやめておいた。どうしようか。調べまくったところ、松山市駅前にカプセルホテルがあることが解った。1泊カプセル付きで2,800円。安い。従業員の態度もよい。もっとはやくここに来たらよかった。

久々にプレイベート空間が確保された状態で眠れる。興奮してしまってなかなか寝る体制にならない。シャワーを浴びたり荷物の整理をしたり鏡の前で自撮りをしてみたり。やっぱ福岡のサウナは良かったなあ。料金は同じくらいだし。でもこっちはこっちでプライベート空間あるしなあ。

カプセルのテレビで、たまたまやってた片山右京の番組を見る。片山右京はF1ドライバーってのは知っていたが、いまは引退して貧乏みたいだ。F1といえば自動車の最高峰なのに。プロスポーツ選手とは。人生を賭けてそのあと何もなくなる。そのあとのキャリアが用意されているのはプロ野球だけだよな。ピラミッドの頂点に立った人が、こうなるのか。オリンピックのゴールドメダリストも似たようなものかもしれないな。

右京の番組が終わったら深夜3時だった。もうすぐ明日がやってくる。明日は土橋で非合法なセックスをして、それから次の街を探さなければならない。 金メダルを取らなければならないんだ。後先なんか考えなくていい。取ることに意義があるんだ。とにかく取ればいいんだ。


金曜日。あさ、目が覚めて時間を確認すると9時30分だった。カプセルサウナをチェックアウトすると、歩いて大街道の方へ向かう。今日は天気がいい。朝の散歩を楽しんでいると、バイク屋から電話があった。直すには15万くらいかかると言われる。まあそんなもんだろう。タンク交換が必要だが、純正タンクは7〜8万するのでオークションとかで落としたらどうかと言ってくれた。持ち込みで修理してくれるバイク屋は少ないのだが、ずいぶん良心的だ。じゃあそうすると言って電話を切った。ケータイでタンクを調べてタンクだけはパーツ屋で買って持ち込むことにした。

私はいま電車や船で旅をしているが、電車の旅を思いついたのは出発の直前だった。正確には、6/14の土曜日。大阪駅から新快速に乗ったのが6/15なので、その前日だ。 裏風俗の旅は先に述べた通り、当初の計画ではバイクで行く予定だった。ところがすったもんだあって、簡潔に述べると、まずバイクを盗まれた。仕方がないので新しいのを購入した。ところが 今度は新しいバイクの調子が悪い。1万キロ以上走るんだから整備した方がいいだろうとバイク屋へ持ち込んだ。するとどうだ、いろいろ悪いところがあるから大修理した方がいいという事になった。これが6/13の金曜日のことだ。新快速に乗る2日前だ。

ようするに、バイクが直るまで待っているのは詰まらないので、電車で旅をしてみようと思ったのだ。バイクでの行先は北海道からだったが、電車での行先は反対方向、九州方面にした。 さきほどのバイク屋からの電話は、「タンクの交換必須」だった。残念ながら、オレンジ色のタンクは売っていないので違う色になる。オレンジ色で日本一周したかったが仕方がない。そのほかにもいろいろ具合の悪い所を交換することにして、2週間くらいかかると言われた。まあ、電車の旅が楽しいから別に時間かかってもいいかと思えた。

話を戻そう。時間はまだ早いが、何か食事をと思い、大街道のアーケードの中に55カレーというのがあったので入ってみる。どんなのが出てくるのかと思ったら黒いカレーが出てきた。金沢発祥らしい。金沢のカレーを松山で食うのもなあと思いながら食った。900円もしやがった。それから昨日プレイした千舟町へ行ってみた。昨夜の、ババアがゴキブリのように徘徊していたのが嘘のように静まり返っている。こんなところだったかと拍子抜けした。大胆に写真を撮ったり、昨日遊んだ旅館を眺めたりしたが、人の気配は最後までなかった。

やることが無くなったんでアーケードの中であった漫画喫茶に入った。だいぶ松山の街にも慣れてきたけど、博多の方がやっぱり楽しいな。あそこのパラダイス度はかなり高い。

夜には土橋へ行く予定なので6時間パックで入って更新作業などを行う。旅をしながらそれを世界に向けて発信するという、21世紀を生きる人なら誰もが人生で一度は考えるであろうことを、自分もやっているのだ。本当はノートパソコン持参で更新しながら前に進もうと思っていたが、それは非現実的な事であると気づいて辞めた。だから漫画喫茶。

19時になったので満喫を出て土橋へいくことにした。スペルマ残量はあるが、念のためにバイアグラを仕込む。きっとこれは並のゲームじゃないぞ。


捜査ファイルは118です。


またアーケードへ戻ってきた。夕食をとる為になんとなく55カレーに入った。なんでもよかったのだが、一度安心できる飯屋を見つけるとそこばかり入ってしまうのだ。よくあることだ。可もなく不可もなくの黒いカレーを食って、マクナルにイン。0円コーヒーをしばきながら一人ミーティングを行う。

あれだけ気合を入れていたのに土橋はプレイできなかった。週末であり、時間も20時と、これ以上ない条件であるにも関わらず。場所は、あそこで間違いはない。なぜ営業していないのだろうか。壊滅したのだろうか。考えても仕方がないのだが…。下見をしていただけに、このゲームを取れなかったのが痛い。プレイ出来たら、4つある5000円伝説を1つ取ったことになったのに。

なんとも後味悪い。気持ちの整理がつかないのでアーケードにあったゲーセンに入った。自分のふがいない結果を自分に自分で言い訳するために無心でゲームをする。500円使ったところで疲れたので眠りに行くことにした。その前にATMで5万おろした。

24時30分。漫画喫茶。狭いリクライニングブースでぼんやり考える。この小部屋にいると気が狂いそうになってくる。早く前に進まないといけない。松山はもうこれくらいにして、別のところへ行きたい。じゃあどっち方面へ行くべきか。高知か、香川か。高知にはいつか寄る必要がある。堺町は必須だ。それから中国地方の未確認情報が2つあるから、先にそれを調べに行った方が良い。どのルートで行こう。電車で行くか、船で行くか。日本地図を眺めて瀬戸内海を最短距離で渡ることにした。船で山口の柳井まで行く、そうしよう。早く朝になれ。気が狂ってしまう。

続きを読む




トップページへ戻る 目次へ戻る