2009年7月×日、長官より緊急指令が下りた

指令:石和温泉で一発屋の捜査をせよ

早速、捜査官が手拭いをもって山梨へ向かった。
なお、以下のファイルはすべてノンフィクションであることに留意されたい




石和温泉は、「いさわおんせん」と発音し、山梨県と静岡県の境目くらいにある温泉街だ。山梨県の県庁所在地である甲府市から電車で2駅くらいの場所にある。西日本ではあまり認知されていないが、関東では東京から近いということもあり、知名度も高いらしい。


ここ、石和温泉に裏風俗が存在するという。ネタ元は、昔のムック本や雑誌の「枕芸者・コンパニオンと遊べる」「ホテトル遊びが出来る」という記述。現在の確実な情報は入手できなかったが、ピンクコンパニオンは今でも有名みたいなので、50%くらいの確率で一発屋も黒だろうと判断。

はるばる山梨まで行くのだから、88%くらいの高確率で黒でないと行ってはいけない気もするのだが、私の手元には、「甲府駅前のサロンが本サロである」というタレコミ情報があるのだ。石和温泉が白だったら、駅前の本サロ捜査に変更しようという訳だ。

こういった代替案があると安心して捜査に行ける。なんせ交通費だけで福原の中級ソープで遊べるくらいの金額がかかるのですから、白だった日には目も当てられません。ほんと、「こうなったら凄いババアでもいいから出てきてくれ!」って思いますからね。捜査活動って大変ですね。




7月某日、徹夜明けで眠い目をこすりながら、トヨタの1300ccの車で東海道を東へ走る。静岡県から富士山の脇を通り、R139で川口湖を目指す。霧で真っ白になった朝霧高原で多少手間取ったが、21時には笛吹橋を越えることに成功した。この橋を越えると石和温泉郷だ。手持ちの温泉地図を見ながら、まずは温泉街のゲートを目指すことにした。

 あった

ゲート近くに潰れたラブホテルがある。嫌な予感がする。もしかして裏風俗は壊滅しているのでは?

 潰れたホテル

全体像を把握する為に、車で一通り走ってみることにした。まずは旅館が並ぶ通りを一通り見て回り、続いて「さくら通り」というメインストリートに入る。飲み屋が沢山ある。上山田温泉みたいな感じだが、それよりは遥かに面積が広い。1キロくらいにわたって飲み屋が並んでいる。

 広い・・

フィリピンパブが多い。怪しいポン引きや客引きを探すが、特にそういった人影は見当たらない。まずいな。壊滅か。ガセか。どうしよう。甲府駅前の本サロ捜査に切り替えるか?時刻は22時を過ぎている。どうしたものか・・。

私の中で二人の私が議論し、甲府駅前へ行く派が勝利を収めようとしていた時、前方の暗がりに怪しい人影がちらっと見えた気がした。まさかと思いながらも、念のため車を降りて人影が見えた地点を徒歩で調べてみることにした。

期待せずに早足で通りを進んでいくと・・・なんと!ポン引き婆だ!これは間違いない!スクランブルだ!こちらがポン引き婆を発見したと同時に向こうも私を発見した模様。

歩く速度を落として接近する。案の定、声がかかる。

「兄ちゃん」

「遊べるところはないの?」

「あるよ。最後までするところ」

「いくら?」

「2万。ホテル代と送迎代込み」

「何分?」

「60分」

「うーん、もうちょっと安くならない?」

「2千円位なら。する人の取り分減らして18000円」

「女の人はいくつくらい?」

「10代や20代はいてないけど、30代のいい子呼ぶから。いい子よ」

どうせ不細工なオバハンだろうと決めつけながらも、「じゃあ、遊んで行くよ」と答える私。 ポン引き婆は嬉しそうに携帯でどこかへ電話を始めた。


この65歳のポン引き婆は、40年ここで立っているという。熱海にも下呂にもそんなのがいたな。温泉街には伝説のポン引き在りか。迎えが来るまで話をする。婆は、「昔はここらは平屋の旅館が立ってて、風呂も混浴で、あそこの川のところが全部風呂で・・」と、昔話を聞かせてくれた。


3分後くらいに1台の高級セダンがやってきて、目の前で停車した。後部座席に乗るように言われる。強面の初老のおっさんが乗っている。低い声で喋ってくるのだが、敬語なんでかえって怖いんですけど。景気はどうか?なんて話をしながら5分走り、1軒のホテルへ。こんなところにホテルがあったのか。

しばらく車中で女が来るのを待つ。静かだ・・・。カシっと音がして、無言でゆっくり煙草を燻らせるおっさん。超こわいんですけど。

無言の時間がしばらく流れ、やっと女がやってきた。若いぞ!20代だ!茶髪の今風のギャルだ。しゃべるとヤンキーみたいなノリで戸惑う。20代だと思っていたのだが、年齢を聞いてみたら30代だった。見えないな。

部屋へはいって、女と話をする。女は煙草を吸い始めた。在籍する女は複数いるとのことで、年は自分が最も若く、体重も自分が最も軽いと言っていた。特に嘘をつく理由もない状況だったので、たぶん真実なんだろう。てことは在籍する女の平均年齢は30代半ば以上か。じゃあ、私は当たりということだな。

女は「今日は暇だから時間サービスするよ」とタイマーをセットした。ホテルは田舎にしては綺麗で、ちょっと得した気分になる。

「最近いつセックスした?」唐突に聞かれる。

「3週間くらい前かな・・」と適当に答える。

「ひとりHは?」

「3日くらい前。」

「しらふだよね。」

「しらふだよ」

ふーん、顔に似合って仕切りたいタイプの子だな。よし、返り討ちにしてやる。本気のセックスになりそうな予感。まあ、いつも本気だけどさ。


シャワー。ちゃんと体を洗ってくれた。チンコ洗いは軽め。で、ベッドへ。暗くしてセックスの始まりだ。フェラが始まる。上手い。

「乳首舐めていい?」と聞かれたので、「感じるから」と言っておく。女は、「楽しくなってきた!」と言って攻めてきた。そりゃー、楽しくなるようにしてますから・・。ババア相手でも本気でしないと輩の皆様から怒られますからね。


攻めが終わると、ゴムが付けられ、ローションが塗られ、正常位を命令される。マンコはローションがたっぷり塗られている。挿入。喘ぎ声良好。ピストン。返り討ちでいかせるつもりなので、麻生内閣の今後と福田元総理と小泉元総理の散髪の頻度について考え、射精を我慢する。女の喘ぎ声が大きくなってきた。激しいのがいいみたいだ。パンパンいわせる。

「もっとついて〜」と喘ぐ女。うう、早くいけ。先にこっちが行ってしまいそうだ。

「もういってもいい?」

「我慢して!あと3分!クリトリスもいじって!」

無理・・、3分も持たない。

パンパンパンパン・・

40秒後、あえなく発射。

「も〜!いきそうだったのに!」

「気持ち良かったんだもん・・・・」

「よし!じゃあもう1回しよう!」

「え?無理・・もうセックスしたくない・・疲れた」と心の中で言ったのだが、その心の声が彼女には聞こえたようで、「でも、もう1回はだめだよね・・・」と言われる。すかさず、それに続くべきセリフはこちらから言ってあげる。

「舐めてあげよっか?」

「ほんと!?」

「クリトリスがいいの?」

「同時攻めがいいの!」

1年ぶりくらいに超本気のクンニをする。1分以内にいかせてやる。ローション使って、クリをなめながら指1本。そして2本にしてかき回す。入口がきつくなってきた。喘ぎ声が大きくなり腰が浮いた瞬間、奥の方が解放された。そのまま潮吹くまでしてしてやろうと思ったが、くすぐったいからと、ギブアップされる。



シャワー浴びて帰ることに。所要時間60分くらいか。

「久しぶりにいいHだったな〜」と満足そうである。

そうかい。そりゃよかったね。こっちもオマンコが無味無臭でよかったよ。


帰りも強面のおっさんの運転で温泉街まで送ってもらう。時刻は24時ちょうどだった。



ふう、疲れた・・・。
セックスにつかれたから車で休んでいると、眠くなってきた。








「・・・・・ですが」

誰かの声がする。誰やねんこんな夜中に。

「警察ですが・・」

はっと我に帰る。職務質問だ。


「ここで何をしているのですか」「最近、練炭自殺が流行っているんで」「他府県ナンバーだからちょっと気になって・・」


何をしているのかと言われても・・・・。裏風俗を探しに来て、さっきセックス出来て疲れたから休んでいるなんて言えない。

「一人で温泉に遊びに来た」「宿は取っていない」「疲れたから休んでいる」と巡査の質問に1つづつ答える。

若い巡査の二人組は、合点がいかない顔をしていたが、特に捜索願いが出ているわけでもなく、車両の所有者名儀も問題ないので、一応納得してくれたようだ。身分証と車両を確認しただけで、荷物を調べられることはなく、去って行った。


やはり温泉というのは友人や何やらと一緒にやってきて、湯につかって美味い飯を食って酒を飲むものであり、一人で温泉に来るなんて、きっと傷心旅行に違いない。ということになるようだ。

そうでなければ不審者ということか・・・。


私はエンジンを始動させ、真夜中の国道を走ることにした。




温泉データ

石和温泉

開湯:1961年
源泉温度:
湧出量:
PH値:
泉質:アルカリ性単純温泉
アクセス:鉄道-JR中央本線 石和温泉駅/車‐中央自動車道・一宮御坂IC









捜査報告書:風俗らしからぬセックスで18000円也



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