そう、6年前の冬だ。

あの時は、「しの」という女を買った。しのは、とても綺麗な女だった。そして優しくてセックスが上手だった。どんなセックスをしたか鮮明に覚えている。

彼女は顔色が悪く疲れているように見えて、抱きしめてあげたくなったが、意気地無しの私はそれが出来ずに何も言わずそのまま帰った。

帰ろうとする私に、彼女は冷たくなった手で名刺を渡してくれた。

小僧だった私は日本にこんなところがあるんだと、とても驚いた。あの頃は、自分にとってまだまだ未知の裏風俗がたくさんあり、それら全てで冒険することを夢見て生きていた。

「しの」と寝た代金は15000円だった。

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