飛田新地に潜入せよ


2003年、3月×日。長官より緊急指令が下りた

指令:飛田新地へ潜入せよ

早速、捜査官が現場へ向かった
なお、以下のファイルはすべてノンフィクションであることに留意されたい



大阪、西成。

もう十数年前であろうか。暴動の起こったこともある危険地帯である。 ミナミの繁華街から電車でわずか2駅程度の距離にある。 この独特の空気は、ここにしかない。 ここは、時代の流れが昭和で止まっている・・・そんな風によく形容される。


時刻はPM9:45。私は動物園前にバイクを止め、徒歩で薄暗い商店街を歩いていた。 アーケードの商店街は、すべての店がシャッターを閉じ、その前では行き場の無い浮浪者たちが 寝込んでいる。私は早足で商店街を突っ切り、路地をどんどん歩いていく。すると、 目の前がにわかに明るくなってきた。そう、ここが飛田新地である。


飛田新地−−−−関西で最も有名な赤線地帯である。大阪には新地が5つあるのだが、ここ飛田の場合は、 女は料亭の女中というコンセプトで、客は、料理を食う最中に女中と恋に落ち、自由意志によりSEX するということになっている。だから堂々と顔見せもできるらしい。
まるで昨今のAT機のような無茶苦茶な解釈だ・・と私はよく思う。


風俗を知らない人のために簡単に説明すると、赤線地帯とは、歴史的背景のある売春宿の集まった ゾーンのことで、昔の遊郭の名残である。売春宿であるため、当然そこではSEXをする。 日本ではソープ以外に本番できる風俗は無いので、裏風俗ということになる。 もちろん建前上は売春宿ではなく、料亭や旅館ということになっているが。


私は、たくさんの店が軒を連ねる通りへ入っていった。未知なる物に対するスリル。 このドキドキ感が、私を駆り立てるのだ。 店の数は100近くあるだろうか。ものの本には200近いと書かれていたが、私は調べたことは無いので 正確な数はわからない。


まず目に飛び込んできたのは、ロングヘアーが美しい、妙齢の女。その笑顔に一瞬やられそうになったが、 その誘惑を振り切り、さらに奥へと進む。一通り廻ってからでないと、捜査とはいえないから。 飛田では、店の玄関先に女が座っており、赤いライトやコスチュームで女がかわいく見えるように 工夫がなされている。そのすぐ横には「やりてババア」がいて、全ての交渉は、このババアとすることになる。


週末ということもあってか、通りは結構な人通りである。スーツ姿の中年の男女10人くらいの 集団が歩いている。社会見学か? 1人の男が得意げに解説しているのが印象的だった。

そうかと思えば、今度は、遊び人風のイケメン3人組が興奮気味に女を吟味している。

やりてババアが「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と声をかけてくる。
私は、20分ほどかけて女を眺めて廻った。思ったことは、どの女も最高に可愛いという事。

「お兄ちゃん、ほらこんなにかわいい子」

そして、どの女も教育が行き届いているのか、意識レベルが高いのか、必ず笑顔を見せてくれる。

「お兄ちゃん、ちょっと見て行ったって」

アツイ。

私は、買う女を絞り込んだ。女子校服の女かチャイナ服の女か・・・。

「お兄ちゃん」「ちょっと、お兄ちゃん」

チャイナドレスの女のいた店へと戻ってみた。だが、すでにそこには女の姿は無かった。
必然的にブレザー姿のあの女になる・・・と思ったその刹那、ものすごい美人が目に飛び込んできた。 私は思わず足を止め、ふらふらとその店へと近づいていった。
ストレートヘアーの、私の好みの女だ。ババアは「入ってって」と営業をかけてくる。 私が「いくら」と聞いてみると、ババアは「15000」と答えた。 時間は20分だが、25分にしてやると言う。女を見ると、こちらを見てニコニコ笑っている。 もう迷う理由など無かった。


靴を脱いで上がると、ババアは「コーラとジュースとウーロン茶どれにする?」 と聞いてきた。さすが料亭・・とりあえずウーロン茶をオーダーしておいた。 そのまま2階へと案内されると、 日本映画に出てきそうな赤を基調にした和室があった。


4畳半ほどの部屋にはちゃぶ台があり、傍らには小さな布団がしいてある。 女は「ありがとう。用意してくるからちょっとだけ待っててね」と言い残し、出て行った。 近くで見ても、とてもかわいい女で、ここ最近かわいい女とセックスしていなかった 私は、心の中で「やった!」と叫んでいた。


部屋の壁には、料金表が張られており、ビール1000円、お造り時価、、などと書かれている。 一人で待っている間、デジカメで写真を撮ろうかと思ったが、止めておいた。 やがて女が戻ってきて、早速SEXをすることになった。お互い服を脱ぎ、裸になる。 女は、「時間は一杯あるからゆっくりしてね」といい、私の上にかぶさってきた。 フェラこそゴムつきだったが、乳首舐めから始まり、アナルや袋までじっくりと 時間をかけて刺激する女の仕事っぷりには 好感が持てた。前戯など無いと思っていた私は少々驚いた。


ほどよくチンコがたつと、騎乗位で挿入。微妙に角度を変える女の腰使いに私のチンコもぴくぴくと 反応する。このままイクのは勿体無いと思った私は、合体したまま正常位へと体位を変え 、そして思う存分出し入れを楽しんだ。女は1回イった様子でもあったが、私はかまわず腰を使い続けた。 そして、そろそろ時間が気になったので、「もういくよ」といって射精した。


セックスってこんなに楽しかったっけ?


女は手早くゴムをはずすと、「まだ時間があるからマッサージしてあげる」といい、 うつ伏せに寝た私にタオルをかけ、時間ぎりぎりまでマッサージをしてくれた。 なんだかんだと世間話をしながら身を任せていると時間になった。


帰り際、女がくれた名刺とちゃぶ台の上のお菓子をポケットにねじ込んで部屋を出た。 1階へ下りると、玄関には別の女が座っていた。やりてババアは「ありがとうね」といって私を 見送っってくれた。店の名前は「W」だった。


今日は楽しかった。数ヶ月ぶりで楽しいセックスができた。このまま 朝までいたいとさえ思った。女の肌の感触がまだ残っている。 ここがソープやヘルスなら、私は恐らくまた同じ女を指名しに来たことであろう。


私の中での飛田新地のイメージは大きく変った。


ぎらついた、さまざまな思惑が目まぐるしく動く都会の空気。気を抜くと飲み込まれてしまいそうな 窒息感。それがここには無い。客として来る限りそれを感じることは無い。なぜだろう?


見世物状態である彼女らは、いったい何を考えながら、あそこに座っているのだろう。 彼女たちの笑顔を見ると、自分もがんばらねば・・・と、そんなことを思うのは私だけだろうか?


捜査報告書:ウーロン茶とお茶菓子で15000円也


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