鳥羽で裏風俗の捜査をせよ


2011年8月×日、長官より緊急指令が下りた

指令:鳥羽で裏風俗の捜査をせよ

早速、捜査官が伊勢へ向かった。
なお、以下のファイルはすべてノンフィクションであることに留意されたい



『朝日さす夕日輝く木の下に、黄金千両、朱千杯』


埋蔵金はロマンをかき立てる。日本には数百の埋蔵金伝説があり、実際にそれらの埋蔵小判や金の延べ棒が発見されたことも1度や2度ではない。

中でも徳川幕府の御用金360万両や、村上水軍が瀬戸内海に隠した小判、日本アルプスに眠る佐々成政の軍用金、 日本史上最強の成金である豊臣秀吉が多田銀山に隠した100トンの黄金などは、発見されていないが、信憑性が非常に高いとして有名である。

夢を見ずに真面目に働けと言う人もいるかもしれないが、私はこういうのがけっこう好きである。

いや、きっと私だけじゃないだろう。バブルがはじけた時代、徳川埋蔵金を求めて赤城山麓をひたすら重機で掘り返すテレビ番組があったが、そのパワーショベル12台が大活躍する土木番組にロマンを求めた日本人が沢山いたことは確かだ。


裏風俗も埋蔵金と同じようにロマンをかき立てる。風俗情報誌にも載っていない、情報サイトにも載っていない、口伝される微かな情報だけを頼りに捜索を行い、行きついた先で現れた女にチンコを放り込んでスペルマを発射するという行為をロマンと言わずして 何をロマンと言うのか。

また、埋蔵金伝説と裏風俗は、その捜索の過程も似通っている。埋蔵金は、肝心なところが虫食いで読めない怪しい古文書、古物商に小判を1枚単位で売りさばく小汚いババア、子供のころ裏山で小判の入った壺を見たと嘘ぶくジジイなどが必須登場アイテムであり、これらは三流エロ雑誌や、胡散臭いやり手ババアやポン引きのおっさんと相通ずるところがあるといえる。



と、やや強引に始まった数か月ぶりのXファイルは、そんな隠された裏風俗を探す冒険になる。



捜査場所は三重県。ここに隠された裏風俗があるという。なんでも、外国人の連れ出しスナックや一発屋があるとか。ただし、詳細は一切不明だ。

捜査のキーワードは、

「とば」

「あらしま」

「おうさつ」

「わたかの」

「はましま」

の5つだ。これらは数通のタレコミの中から抽出された重要な手掛かりであり、全て地名を表している。今回はこのキーワードを辿って捜査を行いたいと思う。はたして伝説の裏風俗は見つかるのだろうか。

キーワード4の「わたかの」に関しては、多くのリフレッシャーによってあらかた全容が解明されている。私も2010年に2回島に渡った。確かに渡鹿野島が宝島だったことはファイルナンバー187に書いたとおりだ。

キーワード5の「はましま」は、温泉街紀行で08年に調べたが(ファイルナンバー160参照)、ブツは発見できなかった。

それ以外の地名、キーワード1〜3に関しては、聞いたこともない。ただ、鳥羽はネット上で連れ出しスナックがあると書かれている。だが、飲みに重きが置かれているようで、連れ出しスナックと言えるかどうかは微妙だ。具体的な店舗名を記載したタレコミも貰ったが、タレコミ人も又聞きの様子で、本当かどうかはわからない。

どうも、外国人が幅を利かせているというのは間違いなさそうだ。といってもコリアンやチャイニーズと言う訳ではなく、東南アジア系らしい。おそらくタイだろう。四日市の繁華街にもタイレストランやらがあるので、この三重県と言う国には、タイ人の生息率が高いのかもしれない。


調べても情報が少なすぎるので、とりあえず行ってみることにした。ヤマハ発動機のマシンを出し、必要最小限の荷物をザックに詰めると、国道25号線で伊勢湾を目指した。

 国道おにぎり標識がこの有り様・・

R25(旧道)、これホントに国道かよ。この方向でいいのか、正しい方向を走っているのかまったくわからない。すでにトレジャーハンティングが始まっているようだ。

やっとの思いで伊賀までやってくると、そこからR163に乗り換えて伊勢湾岸まで走る。R163の終点から、さらに伊勢湾を南下するにはR23へ右折だが、私はその分岐を左へ曲がり、まずは三重県最大の繁華街である四日市市へ行くことにした。

 四日市の街

工場の街・四日市市。ここはそこそこの都会だ。たしかにタイレストランやらがある。この街にはソープ、サロンがある。サロンの一部は本サロで、以前に捜査済みだ(ファイルナンバー101参照)。

昼間と言うこともあったが、怪しい点は見当たらなかった。ここは事前調査でも白と判定されていたので、予定通りR23を南下し、鳥羽を目指すことにした。



午後19時30分、近鉄鳥羽駅に到着。鳥羽は昔に一回きたことはあるので、何もない街であることを知っている。鳥羽駅の周辺が最も栄えていて、主なものは御木本真珠王をたたえる建物とペンギンやアシカで有名な鳥羽水族館。観光客向けの施設があるためか、ホテルや旅館が沢山あって、小さい温泉街みたいな雰囲気だ。

一通り見て回ったが、やはり裏風俗があるような気配はない。時刻は20時過ぎ。どうしたものか。ネットでわずかに仕入れた情報では、ここらの飲み屋が連れ出しスナックになっているとのことだが、そもそも飲み屋自体がない。連れ出しスナックならラブホテルが必要となるが、それもない。

このまま鳥羽で捜査を行うか・・・迷ったが、いったん第2、第3キーワードの「あらしま」「おうさつ」へ行くことにした。


「あらしま」は鳥羽駅から数キロくらいのところにあるホテル街だ。なんでこんなところにホテル街があるんだろう。温泉もないのに。

 あった

看板のように「あらしま」は「安楽島」と書く。別に島になっているわけではなく、半島の山の上にある街だ。名前が実に妖しい。 女が沢山いてもおかしくない名前だが、行ってみたら普通の街、というかホテル街だった。ホテル街を回るが、健全極まりなく、飲み屋すらない。当然、あやしいポン引きがいるなんてことはない。

パトロール終了。


 

第3キーワードの「おうさつ」へ行ってみる。「おうさつ」は漢字では「相差」と書く。

 

真っ暗な中、パールロードを越えて・・・

 なんだよこれ・・

ぜったい風俗店なんてないよなこれ。月明かりで、なんとか道が見える。Gショックを見ると、月齢13.3と表示している。月が出てなかったら肝試しですね。

やっとの思いで辿り着いた相差地区は路地が複雑に入り組んでおり、バイクでまわってみたが、スナックなどは一切ない。万が一、一発屋なりがあったとしても絶対に発見できないだろう。普通の民家が並んでいるだけで、人すらいない。

うーむ。来たらなにか手掛かりがつかめるかと思ったが、全く駄目だ。ここから鵜方まで15キロ、渡鹿野島までも約15キロ、さらに進んで浜島温泉まで25キロだ。どうしよう。いつものように大脳と生殖器が話し合いを始める。

中3日溜まっている生殖器は、とりあえずツブシの効く渡鹿野方面へ行くことを主張、しかしながら、捜査活動を優先させたい大脳は、1回捜査している方面へ行くことに難色を示し、たとえ射精出来なくとも朝日が昇るまでキーワード1〜3の捜査活動を続けるべきだとの主張をした。

考えがまとまらない。蚊がやたら多いローソンの駐車場で14万分の1の地図を出して眺める。うーん。いっそ、渡鹿野島の女に電話で聞いてみるか?何か知ってるかもしれない。いや、でも出ないだろうなあ。出たところでそんなしょうもないことを聞いたら切られるにきまってる。「ドウシテ ワタシノトコ コナイ? ワタシ オコッテルネ!」って。

キーワード1〜5を地図上で線を引いてみたりすると、伊勢神宮を起点とした五芒星でも浮かび上がるのかもしれないが、そんなことをしてたら飛鳥昭雄になってしまうなあ・・・などと考えながら、20分くらい悩む。

地図を俯瞰するとやはり、どう考えても鳥羽がエロの本拠地になるとしか思えない。鳥羽までもどることにした。



24時に近い時刻。もし鳥羽でポン引きが出没するとしたら駅前・公園・コンビニ前、あたりが一等地になる。それらを入念にチェックするが、怪しい人物とは遭遇しない。

次にスナック街を探すことにした。こういうときはタウンページだ。インターネットタウンページを使って、飲み屋を探し当てた。2丁目らしい。さっき歩いたさらに奥なのか・・。??こんなところにスナックなんてあるのか?

 これは・・

これは旧鳥羽海道か。どうもきな臭い建物が並んでいる。これって遊廓建築じゃないのか・・。これもそれっぽいぞ。

 

もしかしたらもしかするのか・・。

あ、これは絶対遊廓跡だな・・。ますます怪しい。期待が持てるんじゃないか。

 匂う・・

この建物を回り込んだ先に・・

あ、これだ。発見した。

 スナックを発見

全体像を確認するが、確認も何もこの通りに数軒のスナックがあるだけだ。しばらく様子をうかがったがポン引きはいない。と、いうことは店に入って飲まないといけないのか・・。それはちょっとなあ・・。ということで、スナックから出てきた人間を尾行することにし、しばらくあたりで張り込みをする(不審者ですね)。

暫く待ってると店から2人の女が出てきたので後を付ける。聞き耳を立てると日本語でしゃべっている。日本人のホステスだ。東南アジアじゃないのか。女たちは自動販売機でジュースを買うとまっすぐ店に戻っていった。

1時間以上観察を続けたが、店から出てくるホステスはみな日本人だ。しかもけっこういい女だな。田舎のくせに。客と二人で店を出てきたホステスがいたので、興奮しながら後を付けたが(変質者ですね)、お客を駅近くまで送っていっただけだった、手をふってばいばいして女は店に戻って行った。

東南アジア人がいないか粘ってみたが、遭遇しない。でもタイレストランがあるからタイ人は絶対いるだろう。問題は、それらのタイ人が商品となってセクースしてくれるかだが、かりにそうだったとしてもこれでは確実に店に入って飲まないと連れ出せないシステムじゃないか??

 なんという名前・・

うーん、確かにここらのスナックで連れ出し出来るのかもしれないが、連れ出せたからどうだという話だ。スナックやキャバクラで飲んだ後に女とアフターして一発するのと変わらないじゃないか。それは果たして裏風俗と言えるのか?飲み屋の女を連れ出して一発しただけではないのか?飲まずに一発できるのでないとなあ・・。

付近にはラブホテルがない。どこでやるんだろう。女の部屋か?たしか浜島ではそんな情報があったな。

ババアが仲する怪しい一発屋は無いのだろうか。「おうさつ」や「あらしま」とこれらの鳥羽のスナックははたして関連性があるのか・・。

けっきょく、飲み屋には入らずに、夜が白んできた。

伊勢湾でご来光を拝んで三重の捜査は終了とした。徹夜明けの体に朝日がしみわたる。

 朝日さす・・

鳥羽まで来て徹夜で何やってんだと言われそうだが、ロマンだからこれでいいのだ。



なお、帰ってきてからの情報で「安楽島」は温泉街であることが判明した。(毎度のことだが行く前に調べろって)
ブラックの濃度が25%から50%くらいに格上げされました。

再捜査の要あり。
タレコミ求む。






捜査報告書:地下にもぐった裏風俗は発掘できず



トップページへ戻る1つ戻る