瀬戸内海で本サロに潜入せよ


2022年4月×日、長官より緊急指令が下りた

指令:港町を捜査せよ

早速、捜査官が現場へ向かった。
なお、以下のファイルは全てノンフィクションであることに留意されたい


「〇〇で〇〇に潜入せよ」というズッコケ三人組か大長編ドラえもんみたいな定例タイトルにするのがXファイルのお約束なんだが、 ちょっと今回は地名を出すことはやめておく。瀬戸内の田舎の港のあるあたり、ということにしといてくれ。

全く知られていないわけでもなく、2次元を精査したら情報は出てくる。そんな感じの店だ。 一発屋やチョンの間ではなくてピンサロだな。


私がこの店の存在を知ったのは2021年の終わりくらい。ストビューで偶然に発見した。 夏になったら瀬戸内海のどっかでキャンプをしようと思い、どこかいい場所はないかとGoogleマップで調べていたところ、 ある港町が気になってね。本州と四国を結ぶ橋がまだ1つも無かったときには、船が沢山やってきて栄えていたんじゃないかと思われる町だ。

昨今はストビューでどんな辺鄙なところでも見られるようになっているので、あれこれ町の様子を見ているとおかしな建物を発見。 看板や造作はピンサロのように見える。スナックではなさそうな感じ。 ストビューの撮影日がかなり新しいので、今でもこの状態で残っているということになる。 もしピンサロだった場合、チンコが入るコースが常設されている可能性が高い。そう思わせるに十分な面構えだ。

そこでネットで調べてみるが黒確定情報は出てこない。てゆうか営業しているかどうかも定かではない。じゃあ行って調べるしかない。




ということでフェリーで行きます。

今回は泊りで来ている。 昨日は県立図書館に寄り、「わたしたちの〇〇」という昭和45年の小学3年生用の社会科の本を読んで、町の事前情報を仕入れてある。

えー、それによると、昭和の時代には大きな造船所があり、工場で働く人が多かったそうだ。 ミカンなどの農家もあるが、ほとんどが兼業農家。 連絡船は1日に16回も行き来して、そのほかに貨物専用便が1日に10回。 1万トン級の大きな桟橋には外国船がやってくることもあったという。 こんなところに税関や入管があったとか信じられんな。そりゃエロい店があってもおかしくない。

下船すると、店のある方向へ。港から徒歩すぐにあるのだ。場所はわかっている。で、店は19:30からOPENするので、 19時にチェックして、臨時休業の張り紙がないかを確認。店前は綺麗にされており、配達か何かの段ボールが置かれている。営業してそうだな。

なんでこんなに無駄のない動きをしているのかというと、以前に一度来ているからだ。 今日は2回目の捜査なのだ。1回目は空振りで、その後に聞いた情報やらで営業の事実および営業時間がわかったのだ。 1から10まで全部書くと長くなるので書いてないが、捜査には相当な労力を使っているのだよ。 この店のほかにも、同一県内のマイナーピンサロをもう1つ調べている。それは白だったので報告書にはならない。 てことは今回の店は報告書になっているから黒だったということか。さあて、どうだろうね。




これはイメージ画像です。

時間を潰して19:30に現場へ。店前におっさんが一名。やってるな。

たとえ本サロでなかったとしても店内は見てみたい。 どんな女が売られているのかも。私のカンではプレイは絶対黒だと思うんだけどなー。

ジェントルマンを装い、様子を伺いながら臨機応変にチンコの対応ができるように交渉してみることにした。

いつものパターンで問答開始。

「ここは何屋?」

「ここは女の子を相手にお酒を飲んで・・・」から始まったおっさんの説明があまりに長々しいので途中で遮り「ピンサロ?」と聞き返す。

「そうです、ピンサロみたいなものです」

「どこまで?」

「これは法律で出来ないことになっていますので、口で・・」

おっさんは右手の3本指でセックスマークを作ってみせた。 私は間髪入れずに「口だけ?」と問うてみる。 するとおっさんは次のように答えたのである。

「これのほうは2枠でいけるみたいです。女の子に聞いてもらって。ここでは言えませんので。ですからその場合は15000円になります」

ビンゴ! 今年一番のビンゴ!

私は興奮を顔に出さないようにしながら、入店交渉に入る。

「ふうん、すぐいける? 待つ?」

「いや待ちます。えー、今入ってる方が最低2枠、場合にってはもう1枠行くかもしれませんので…」

「じゃあ9時くらいになるね」

「ええ。その後にまた指名の方が来るとなりますと……」

「なるほど」

「指名のお客さんでだいたい埋まりますんで」

「へえ、一人だよね?」

「女の子一人です。そうです」

「いくつくらい?」

「若くはないです」

「50くらい?」

これに対してちょっと間があって、「そんなもんです」との答え。じゃそれ以上の年齢か。 あと、他に店があるのかも一応聞いておこうか。

「このへんはもうここだけだよね?」

「そうです、昔は3~4軒あったんですが。跨線橋の下にもあったんですが、すぐ潰れて。私の知り合いもやってたんですがやめて、今はここだけで……。 そのかわりうちはきっちり女の子が。私の経験では、ほかのエリアは飲めばプラス2000円、さらにプラス2000円と、どんどん料金が上がっていくもんですから。 うちは女の子のドリンクも含めてこの料金ですから」

やたら話が長いおっさんだ。黙って聞いてると、都会のほうのピンサロと当店では基本サービスが違うという話が始まったので、私はいったん商談を切り上げることにした。 でないと永遠にしゃべり続けそうだ。

「じゃあ9時くらいにまた来てみるよ」

「そうですね、すいませんね」




これはイメージ画像です

また来るとは言ったものの……こまった。まだまだ時間がある。でも黒なので必ずプレイしたい。 私は一見客なので、さすがに指名して予約するわけにはいかない。そんなことをしたら 変質者かストーカーだと思われて入店拒否される可能性もある。

いま入ってる男が3枠入ったとして2時間。9時半に来るか。しかし私がそこから入れる保証はない。 でも待つしかない。 4~5枠目が次に来た常連で埋まる可能性もあるので、 念のために10時半に来ることにしよう。 その時間なら指名で来る客もいないだろうし、最終の6枠目をゲットできる可能性がある。

で、周りには何もないので真っ暗闇の港で寝たりして時間を潰す。ようやく10時半になったので行ってみた。

店前におっさんが立っていたので車を横付けして聞いてみる。

「いけますか?」

「ああ、いけますよ」

やった。私は心の中でガッツポーズをしていた。 「じゃあ、車を停めてきます」と言うと、駐車場を案内してくれた。田舎なので駐禁は絶対にないけれど、近隣の迷惑になったらマズいからな。

ポケットに1万円札を1枚、5千円札を1枚、千円札を1枚、合計16000円を入れて車を降りる。 自分でも興奮しているのがわかる。何に興奮しているのか。ブルースとロマンと、あとはほんの少しのスリルだ。

店前で金額を再確認すると「7700円」ということだった。そして、 「40分で女の子のほうも飲み放題です」と、サービス内容を念押ししてくれた。

対して私は、「ダブルでもいい?」と言ってポケットから3枚の札を出してみせ、 「時間は短いのでいいよ」と続ける。それを聞いたおっさんは、「え?」と、扉を開けようとしていた手を止めた。 どういうこっちゃという顔をしている。

「時間がないから短いのでいい。でもせっかくだからこれで。どうせなら楽しめるほうがいいし」

私が理由を説明すると、おっさんはほんの少し優しい顔になって、3枚の札を受け取りドアを開いた。

「はい1名様~~」

久々のピンサロの入店発声だ。やっぱピンサロはこれだよな。 念のために書いておくと、時間を短くしたのはババア相手に80分も時間が持たないと思ったからだ。 向こうも話が合わない新規の客相手に80分は苦痛かもしれないし。80分っていったら1時間20分。とんでもない長さだ。 一発するだけだからそんなに長い時間はいらない。20分もあれば十分だ。

さて、気になっていた中の様子であるが、スナック然としているながらも上手いことピンサロ風になっている。 カウンタがあって、BOXが3~5あるのかな。照度は明るめで喫茶店くらいの感じ。 よくできた箱だ。BOXにはベロア調の赤いL字型ソファーと小テーブル。 かなり狭いスペースだ。ここで合体するには抱っこスタイルしか無理だろう。騎乗も一本足正常位も不可能だ。

女が一人、カウンタに座っているのが見える。私がいそいそとソファに座ろうとしたときだ。

「来るから」

その女がひとこと発したのが背中で聞こえた。 観葉植物の陰からチラ見すると、女とおっさんがやりとりしている。

「え? くるんか? いれてしもたで」

「来るから」

有無を言わせぬ口調だ。

ああ、これはダメだな。指名の客が入ったであろうことは直ぐに理解できた。

おっさんがなんとかしようとしてる感じはあったが、 残念ながら主導権は女にあるようだ。 やがて、「すいません、お金返します」と3枚の紙幣が戻ってきた。

おっさんと二人で店外へ。

「すいません、だいたい指名で埋まるんです。今日は珍しいくらいで」

申し訳なさそうに言われる。

仕方がない。初めての客である私に何かを言う権利はないのだ。 恐らく神が気まぐれで少しだけ私のために店内に入る時間をくれたんだろう。でもプレイには修業が足りないってか。

せっかくなんで話をしていこう。話好きの人だし。 やはり昔のことを聞いてみたい。瀬戸内海を横断する橋が3本もできる前のことを。 この町がどんだけ栄えていたか。エロい店がどんだけ儲かっていたか。

まずは舌を滑らかにしてもらうために、 今は廃止になったフェリーの話から、それから近くにある定食屋についてトークを振ってみることにした。 昨日の事前学習で町の概要やどこの飯屋が旨いかは調べてある。

おっさんは話に応じてくれた。

橋がなかったころはフェリーが日常だったらしい。デパート行くのもフェリー、車の免許取るのもフェリー。 いろいろ仕事したが、いつからかこのピンサロが自分の店になったと。店自体は40年くらい前からあるらしい。 そういえばストビューでは昔はもっと店が大きかったはずだ。

「昔はこっち側に店があったよね?」

「そう、家賃が125万。そっから何年かしてこっちに移って〇〇万」

家主ぼったくりすぎだろ。こんなド田舎のボロ屋の家賃が驚愕の100万超え。ミナミのレジャービルの路面より高いじゃないか……。

「そんだけ儲かってたんです」

おっさんははっきりと言った。

「船も何台か持ってたよ。クルーザーを。みんな乗せて。今はもうだめですけどね」

数千万の船を買えるのだから、推して知るべし。てかベンツやフェラーリじゃなくて買うのは船なんだな、やっぱり。

で、そうなるとやっぱり来るのは税務署。

「自分のところも、その前にはそこの寿司屋もやられた」

テレビ番組で見るように、本当に朝の8時くらいにピンポンがなって「おはようございます」ってスーツのやつらが段ボール持って入ってくるらしい。

「とりあえず部屋にあった金を渡した。あと分割で払えと言われて。払ったよ」

教えてもらったが、とんでもない金額だ。

「返したの? すごいね、がんばったねー」

「がんばったよ! 若かったから。今はもう年やけど。今からずっと前のこと」

キャバクラとか風俗店やったら馬鹿みたいに儲かった時代だ。 昼も夜も働いて一国一城の主になり、港町で金持ちになったってことだ。

リターンがあった時代。今は歩く人すらいなくて目も当てられないけど。 こんな高齢者ばかりの時代に本気でハイリターンな商売狙ってもしゃあないし、爺さん相手にゆっくり趣味で日銭稼ごういうことかな。 PAY105%終日2000枚の6号機みたいなもんか。日本はもう終わりなのかもな。

話好きのおっさんは色々教えてくれたが、ここに書いても仕方がないからこれくらいにしておく。 他にも女のこととか話をして、帰ることに。

「またお金ができたら寄ってくださいよ」

最後は飲む打つ買う系の別れの挨拶で見送ってくれた。


発射してないけど、楽しかったな。 タレコミじゃなくてストビューがきっかけだったから、いろいろ調べがいがあった。 これで諦めずに3回目の訪問して挿入してから報告書にするべきかもしれないが、 私的には訪問2回で美しいまま終わっておきたい気持ちが強い。


店の営業時間19時半―24時 日曜は休み。月曜も休みかもしれん。港から徒歩で行けます。 本州側からは電車でのアクセスも可ですがターミナル駅からは時間がかかります。車の場合は駐車場を案内してくれます。



捜査報告書:返金されたの初めてだな。


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