指令:堺町でちょんの間に潜入せよ





高知。山内一豊に坂本竜馬。土佐鶴にカツオのタタキ。四万十川に足摺岬。見所盛り沢山の土地である。どっちか言うと閉鎖的で「俺ら都会の真似する気はないから」というオーラが感じられる。・・ような気がする。産業も第一次の占める割合が大きく、まったりしたい人向きの土地ですね。工場とかホントに無いんですよ。気候も温暖ですし。

風俗は、堺町にソープランドが9軒。ヘルスとピンサロあわせて11軒ほどある。どうでもいいけど、山内家じゃなくて、長宗我部家の評価が気になるところである。高知県民はどう思ってんのかな。負け犬?





路面電車が走る傍に、川でもないのに橋が見えてくる。赤い欄干に柳の枝。札幌時計台と並んで、期待してはいけない観光建造物として有名な「はりまや橋」である。大通りを渡って、しばらく歩くとソープ地帯が見えてくる。一度来たことがあるので、勝手はわかっている。そのまま進む。すると、風俗店とも旅館とも言える、なんともよくわからない建物が現れる。今日はそのうちの1つに入ってみるのだ。


そう、ここは高知県高知市。堺町の旅館群である。裏風俗としては全国区なので、聞き込み捜査をする必要も無く、観光気分でやってきた捜査官である。


この建物は、皆さんの予想通り宿泊旅館ではなく、妙齢の女性を斡旋してくれる旅館なのだ。高知には2箇所にこういった旅館がある。もう1箇所の玉水町はババアばかりなので、ムック本などの説明は、よくそれと比較されることになる。すなわち「堺町は玉水町より年齢層は若め」と記載されることが多い。ムック本は20代が出てくる場所は必ずその旨を書くものが多いので、若めと書かれているだけで20代と書かれていないのは、まあ30代または30代に見えるくらいということになる。世間一般では40代はいくら相対比較でも若いとは言わないので。20代という響きは読者の食指が動くし、物書きの筆もちょっとしたスクープと言うことで進みやすいからだろう。

ということは、今日は三十路くらいのお姉さんが登場する可能性が最も高い・・・。そんな推理をしながらブラブラ通りを歩く。他に人の姿は見えない。時刻はまだ夕方にもなっていない。しかし、この時間からでも遊べるのだ。まあ競合のソープが昼からやってますから、来客も商品手配も必然似通ってくるのだろう。





1軒の旅館の前まで来たときに、中から声がかかった。「ちょっと!ちょっと!!まあ、入っていき!ええ子おるから!」一人のおばさんが、あわてて玄関から外へ出てきた。

その強引さに負けて中へ入ることにする。中は普通の家という表現がぴったりで、もうひとりおばさんが居た。昔は綺麗だったと思われる貫禄のある女。この店の主か。


私を強引に中に引っ張り込んだおばさんが話を進める。「アタシは徳島だから。嘘はつかんよ。シャワーもあるよ。シャワーがあるのはウチだけ。」

何の根拠も無いと思うのだが。徳島には嘘をついたら罰せられる条例でもあるのだろうか。おばさんは、「若い子よ。アタシでよかったらアタシでもいいよ。」と気の利かない営業トークで私の気を引こうとする。

そんなことを言うんだったら、「じゃあお姉さんでお願いします」と言う若者も居ることを教えてあげようかと 思ったが、変態だと思われたら嫌だったのでやめておいた。


40代の女は、若い。そんな錯覚を起こすくらい私の心は病んでいたのだった。だって60歳のおばあさんと比較したらさ。45歳でも20歳と35歳くらいの差はある訳ですよ。




そんな病みきった私の心を慰めるように、おばさんはアツ茶を出してくれ、お絞りも出してくれる。勧められたソファに腰掛けて、ゆっくりさせてもらうことにした。なんだか柔らかい雰囲気に呑まれて長話をする。

主と思われるおばさんにいろいろ教えてもらった。

「今は旅館は8軒ある。うちは3時からやってる。でも12時くらいからぼちぼちやってるかなあ。と言って微笑。昔はヘルスをやってたからなあ。大阪言うたらソープは何処にいくの?ああそう。福原か。詳しいやろ。昔働いていたから。マットはええよ。ソープはやっぱりマットと椅子やなあ。」

阿弥陀さんのような落ち着き払った態度の裏付けは、ここにあったのか。店を持ちたいと言う風俗嬢は沢山いたが、実際にこのおばさんのように店舗を経営できる人は殆ど居ないだろう。

かくいう私も経営をすると思い続けてきたが、それはたぶん実現していない。「君らは経営者なんだから」と経営者に言われたことはあったが。

ま、本当の経営者か雇われ社長かどうかはわからないが、この貫禄と部屋の乱雑さはそう思わせるに十分だった。


やがて、女の準備が出来たようだ。


「じゃあどうぞ。ごゆっくり。」と言われ、案内された先には、細い体に日焼けした髪の毛の小さな女が立っていた。まるでアスリートだ。胸は殆ど無い。推定26歳。意外。若いぞ。

まずはシャワーを浴びる。服を脱いだ女の体は締まっており、筋肉マニアなら涎が出るような体だ。

シャワーを浴びながら話をする。特別忙しいわけでもなく、暇らしい。

シャワーが終わると2階へ上がってプレイすることになる。2階の部屋にはベッドがあり、いたって普通の部屋である。この家全体を通していえることだが、あまり整理整頓が出来ていない家庭とでも言おうか。彼女の実家で、階下に親がいる状態でセックスする気分だ。

地味な女だが、愛想は良かった。生フェラしてくれた。フェラの最中にマンコをいじるが、濡れてこない。やがてゴムが装着される。ローション無で乾いたマンコに挿入だ。

クンニする気は起こらなかった。というか別にセックスしたいわけでもないのだ。三田尻でアポロ計画に匹敵する偉業を成し遂げた私のチンコは、休息を求めているのだ。

ゆっくり入れてくれたが、「痛い?」と聞かれる。痛いが、痛いと言えない。風俗嬢ってこんな気分なんだろうか。


こんな状況で、「気持ちいいでしょ〜!?」というオッサンの勘違いに付き合いながら、感じている演技をする風俗嬢って凄いなあと思いながら一生懸命いくことを考える。きついマンコでなおさらチンコが痛い。もしかしたらマンコも筋肉で出来ているのかもしれない。



女は盛んに腰を振る。騎乗位で何往復しただろうか。やっと発射した。

少し残った時間は、高知の話を。どうってことない話をして終わった。一体どういう流れでこの女がここで働いているのかちょっと気になったが、当然そんなことは聞けなかった。


1階に下りると、おばさん2人が待っていた。


徳島のおばさんが「また来たときは寄ってね。ありがとう。」と言って缶の茶を出してくれた。

「これから飲みにいくの?そう。あっちが繁華街よ。」主はやはり落ち着き払って繁華街の方向を指差すのだった。









捜査地点:ここらへん




捜査報告書:締まり=快感の方程式が崩壊したセックスで10,000円也



おまけ



驚愕の時刻表。JR四国らしい諦観ですね。この駅でスイッチバックを体験しました。でも山の中は気持ちいい〜〜。




お小遣い帳 9〜10日目

JR切符/岡山〜高知 3,180円
JR切符/高知〜大阪 8,220円
バス代/桂浜〜高知駅 1,170円
電車代/ 570円
宿代 2,820円
飯 4,145円
お土産 1,090円
ロマン代金 10,000円
合計 31,295円


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