
指令:諫早でちょんの間に潜入せよ
諫早。長崎県の中央部に位置する。干拓事業で有名になった諫早湾に面している。訪問した際、眼鏡橋が唯一の観光地といった印象をうけた。現在、風俗店は無い。いくらか調べてみたが、遊郭跡や赤線跡も無いようである。
諫早にも、一般人の想像を超えた風俗施設が存在するという。普通の民家のようなところで、中に入って10000円も出せばババアが現れて真っ暗闇の中でセックスすることになるというのだ。
実に興味を引く内容ではないか。
ネタ元になったのは、ある風俗本の記述。そこには、「諫早駅から本諫早駅にかけての一帯にちょんの間エリアがある」・「タクシーの運転手に聞いて連れて行ってもらう」・「価格は6000円〜10000円」・「熟女好き以外は期待してはいけない」と書かれている。
また、ある信用できる筋からの2005年度の体験情報を入手できたので、この時点で実際にセックスが行われているのは間違いないようだ。さらに2006年の11月に摘発された店が沢山あり、2007年には殆どの店が廃業した、との情報も入手できた。
果たしてこれらのちょんの間は、今でも健在なのであろうか。もし、潜入に成功したら、ディープでコアな捜査になることは間違いないだろう。
諫早駅に降り立ったのは夕方の時刻。早速、あたりの地形と地図を照らし合わせて確認する。いわゆる片田の駅で、風俗店どころか人通りがまばらである。
さて、駅前には西友がある。ここを起点に周辺を歩く。川沿いの土手の上に、居酒屋が数軒並んでいるスポットを発見。あるとしたらこのへんか。前を通りながらそれとなく見てみる。普通の飲み屋である。ううむ。おかしい。時刻は午後8時。何度見ても風俗店ではないし、2階へ上がったら秘密の小部屋が用意されているようにも見えない。半開きになった扉から中を覗き込むが、いたって普通の居酒屋なのだ。
有るとしたらここだろうと思いながらも、勘違いしているかもしれないので、念のために本諫早駅まで川沿いを歩いてみる。1駅間を歩いたが、まず建物が無い。川沿いに道路が続いているだけだ。
川の対岸にも行って見る。こちらは広範囲にスナックが並んでいる。しかし、いたって普通のスナックである。数キロ歩いてこの結果だ。
GPS座標を何度もチェックし、自分が間違ったところを歩いていないことを確認する。
こうなったらスナックを1軒づつ調べていくか?「あの〜、ここって遊んだり出来るんですか?」って。あー。考えただけでブルーになるな。
長い間考える。3分は考えただろうか。
出した結論はこう。
ここにはスナックがあるが、売春を行うような匂いが感じられない。なので、最初に見た居酒屋の並びへ戻り、タクシーの運転手に聞いてみる。それがダメなら周辺のキャバクラの従業員に聞いてみる。それでもダメだったら、そのときまた3分間考える。
売春に匂いがあるのかといわれれば困るが、このスナック群より、最初にみた居酒屋の並びのほうが匂うのである。
周辺で聞き込みをすれば手がかりが掴めるかも知れない。
諫早駅まで戻ってきたが、あいにく駅前のタクシーは出払っていた。仕方が無いので、キャバクラの従業員に接近することにした。
飲み屋街・・といっても数店舗しかないが、を歩いていくと、前方におかしな店を発見した。見た感じはスナックで、スナックにありがちな名前をつけた転がし看板を出している。ここまでは普通。おかしいのはその看板の下部分である。屋号の下に8000円とマジックで金額が書き足してあるのだ。
スナックで8000円という金額は高すぎるし、普通はセットとかそういう文句があるはずだ。第一、マジック書きということがおかしい。
もともとはスナックかクラブだったはずが、居抜きで風俗店にしているのではなかろうか。どうする?入ってみるか?見れば見るほど怪しい。これはたぶん風俗店だ。チンコレーダーがびくびく反応している。
よし、まずはレジャービル前でタバコを吸っているおっさんに聞いてみよう。キャバクラの従業員と思われる男に接近する。
「この辺は、遊べるところは無いんですか?スナックばっかりですか?」
男は、半笑いになり、「ああ、そこ」と指差す。やっぱりそだった、あれは風俗店だったのだ。
「あ、やっぱりそうだったんですか。どこまで出来るんですかね?」
男は口で咥える真似をした。「最後までぬけるよ。」
「本番は出来ないんですか?」
「ああー、出来ないね。フェラ抜きだから」
「本番できるところはないんですか?」
「ああ、もうないね。昔はね、あったんだけどね。そこの店も最近までやってたけどもうつぶれたよ。風俗店はウチだけだよ。もう警察がうるさいからね。昔は結構派手にやってたからさ。」
男は、怪しい店の従業員だったのだ。従業員というのか経営者というのか、どっちでもいいけど。ここも本来風俗店ではなく、もぐりの店なのだろうが。
こうなっては仕方が無い。風俗店は他にないのかとも聞いてみたが、男は「ここしかない」と言う。それも、「ここしかないからここで遊んでいけ」ということはなく、「本番目的なら残念だけどないねっ」てな感じだ。
そこまで言われれば、そうなのだろう。2時間近くかけて歩き回って確かにそれっぽい店は無かったし。諦め切れず「お兄さんところでは本番は出来ないのか?」と聞くが、「ウチは口だけだから」とあくまで正直である。
こちらの質問に、いろいろ丁寧に答えてくれる。
「みんなそういって、タクシーの運転手に聞いてるみたいよ。でも、もうないから、運転手も結局この店に連れてくる。」と。
「また、気が向いたらウチにきてよ」との言葉を背に、男と別れる。
その男が言ってたつぶれた店を観に行って見る。確かにそれっぽいつくりではある。
こんなところでした
諫早。再び来ることは無いだろうな。
捜査地点:ここらへん
捜査報告書:穴が無かった
おまけ
長崎原爆資料館&平和公園
広島のような知名度は無いが、落ちたものは同じ。諫早駅から最寄駅へは、電車で30分弱。
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