39. 吉原パンマの夜


今日は、吉原ソープ街の旅館でパンマさんを購入した様子を振り返ります(パンマというのはパンパンマッサージの略です)。Xファイルの129に該当する部分です。

泊ったところはS旅館です。解っていた人も多いと思います。聞いた話では、2010年に商売辞めたそうです。当時は他に何軒か呼べるところがあったはずです(郭内のすべての旅館とビジホで呼べた? 日光、柳、青木、稲本とか10軒はあったと思う)。最後まで残っていたのが常盤旅館で、これも2017だか18年に終わったみたいです。

梅雨の明けきらない蒸し暑い夜に、木造旅館の角部屋からソープ街を見下ろすのはなんともブルースがありました。


Xファイルにも書きましたように、旅館にはソープの客引きに連れて行ってもらいました。「ソープの客引きに付いてソープ以外の風俗に行くと100%ぼられる」というのを事前学習していたにもかかわらず。ついて行ってしまったんですねえ。

でもまあ、一番ブルースある旅館に連れて行ってくれたわけで、今から思うと「あの客引き殺す」ではなくて「やるじゃんおまえ」ですよね。



「ばかだねえ、あんた」

このオヤジの第一声が今でも鮮明に思い出されます。本当に言われたんですよ。こっちは客なんだけど。1回じゃなくて何度も「バカ」って言われましたよ。まあ、玄関で「帰れ帰れ。帰ってくれ」ってさんざん言われたのに帰らなかったからでしょうけど。

客引きとオヤジがやり取りしてるあいだ、「パンマを体験できるなら我慢だ」って思って傍で待っていたんですよ。まさか私がぼったくられてるのをオヤジが助けようとしているなんて夢にも思ってなかったですよ。ほんと馬鹿ですね。

で、まあ、泊めてくれる事になったんですが、旅館ですから当然泊まれるわけです。裏風俗旅館とは言え、遊びじゃなくて泊るのがメインの旅館ですよ。素泊まりなので食事は出ませんが。ああ、休憩だけも出来たと思います。実際に確認はしていませんが。

マッサージさんを呼べるのは、日本各地のビジネスホテルや旅館でも同じだと思います。ここ吉原のマッサージさんは、なぜか落としやすいというだけです。ちゃんとマッサージ屋から派遣されるのですが、マッサージは出来なくてもいいマッサージ屋みたいです。でも、性風俗の待機からやってくるわけでもないので、一応ちゃんと(?)してるわけです。

信太山とか玉水町も旅館ですが、吉原よりは建前のパーセンテージが低くて、ただの売春宿と売春婦派遣ですよね。生駒なんかは芸妓ですが吉原と同じくらいのバランスでしょうか。五条楽園は三味線の稽古が必須であると言っていたので、さらに建前寄りだと思います。このへんのバランスが各地で違うので面白いところだと思います。




お菓子とお茶によるおもてなし。



風呂が沸くとオヤジが入ってくださいと呼びに来てくれました。



最上級品質のブルース。

自分以外には客は誰もいないと思ってたんですが、深夜0時を過ぎてから「え、泊ってくの?まじ?」という女の声が向こうの部屋から漏れてきたので、他に客がいたようです。5000円で泊まれるわけですから、確かに東京価格で言えば安いですよね。クーラーも風呂もありますし。

マッサージさんが来るまでめちゃくちゃ暇でした。 ソープ街を見下ろします。





日付の変わった深夜。退屈で死にかけているときに、なにやら廊下で物音が聞こえ、やがてふすまがガラッと開いて女が入ってきました。部屋で待機していたのではなく、いまやって来たんだという外気の匂いをまとった女が新鮮でした。綺麗な人ではありませんでしたが、愛想はいい人でした。オヤジがわざわざ「愛想がいい」この人をチョイスしてくれたみたいです。いや、チョイスしたのはオヤジじゃなくて「おねえさん」ですね。おねえさんも事前に部屋にやってきてマッサージの人について説明して去っていきました。おねえさんが何者なのかは伏せておきます。すいません。

女は一緒にビールを飲もうと言ってくれまして(翌日の清算時にビール代は払っていない。女が払ってくれたのか、旅館がサービスしてくれたのか、親父が忘れていたのか…)瓶ラガーを飲んで、やがてセックスをすることになりました。マッサージは1ミクロンもありませんでした。

「あたし、鶯谷みたいに凄いことは出来ないから」って再三言われまして、 「これくらい」って謙遜してフェラ。たしかにヘタクソでした。私のフェラ基準はハードル高めですから。

チンコが立ったら挿入して、マンコはイマイチでしたが最後は中出しさせてくれました。当時は生ハメ中出しこそが輩の皆様への最大限の娯楽の提供であり、一流の仕事だと思っていたので、出来るだけ生ハメするようにしていました。それを受け入れてくれる女もやっぱり一流なんですかね。ようわからんけど。

終始、ご機嫌な女でした。金曜と土曜だけパンマに入ってると言ってたんですが、この日はちょうど金曜だったんですよね。だから昼の仕事が終わってからパンマの仕事に入って、一番ランクの低い酒井旅館にきたら予想を裏切る若い男がいたからウキウキしていたんだと思います。ええ、すいません4歳サバ読みました。Xファイルには書かなかったのですが、最後に本当の歳をうっかり言ってしまって「えっ」って微妙な空気になったのをここで白状しておきます。


翌朝は朝9時に目が覚めて、朝日が入る部屋を改めて俯瞰してみますと、ブルースが陽の光に当たってキラキラ輝いていました(なんやそれ)。

荷物をまとめて部屋を出ようとして、この日めくりに目が留まりました。



なんっていいオチだろうと思いました。

9時半に1階へ行ってみると、親父が昨日と同じように玄関わきの雑然とした仕事場で座っていました。次からは直接来るようにと、名刺をもらいました。



レアもんだよ。

金を払って帰ろうとしたのですが、オヤジがお茶を出してくれたので、玄関わきで話をしました。

「昨日あいつ、やっぱり夜に取りに来たんですよ。家内を使って追い返しましたよ」

「10000円て、私らにとったらすごい大金ですよ」

「あいつら、ちょっと話して連れてくるだけで1万円なんて冗談じゃない。でもおっかないから言えないけど。毎日1万円だか上納してるらしいけど」

「あいつら税金も払わずに。私らこの建物は自分らの物だから逃げも隠れも出来ない。固定資産税払ってこっちは赤字なのに」

このころは記憶力が良かったので、話を聞きながらオヤジの話の一言一句を記憶することが出来ました。

しかし、オヤジの嫁が私のために客引きと喧嘩してくれたのは申し訳なかったですねえ。

私の持っている資料には、派遣される旅館によって女のギャラも違うと書かれていまして、ギャラ一覧表によると、ここは金額が良い方になっています。客が払ったマッサージ金額が女の手元に行くまでに中抜きがあるのですが、その中抜きが少ないんですね。客にもマッサージさんにも良心的な経営をされていたのかもしれません。




そいで旅館から出ると、マクナルでコーヒーを飲んで休みました。素晴らしいモーニングコーヒーでした。


続きは次の水曜くらいに。

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