33. 東日本/川崎南町で事件発生


前回は新潟から新幹線で東京へやってきて、川崎堀之内で特殊料亭に入るところをお伝えしました。今回は、その直後に南町の特殊飲食店へ行くところのお話です。堀之内は韓国人でしたが、こちらはタイ人でした。まずは当時の日記からどうぞ。


『リポDの高いやつ飲む。先ほど堀之内で小さい韓国人とのファックに成功した。次は南町だ。場所はすぐ近く。大通りを西へ500mもいけばつく。

何気に南町をぐるりと回ってみる。むむう。これは手ごわそうだ。荷物が邪魔だからコインロッカーに入れよう。おそらく並じゃない捜査になると予想される。明らかに893屋さんの家があって893屋さんが歩いている。怖いお兄さんに因縁つけられたときに30秒フラットで逃げ切れる体制を整えておかなければならない。これよこれ。このスリルがたまらん。金玉から興奮が上がって来やがる。

路上にあるコインロッカー。ちょっと不安だが、荷物をぶち込む。西成には路上ロッカーは沢山あるが、それ以外の土地ではまず見たことない。セキュリティは大丈夫なんだろうか。』(ここまで)

【プレイについては詳しくはファイルを見てください ファイルナンバー124】



南町のちょんの間は、最近はどんな状況なんでしょうか。この当時ネットで流通していた神奈川県ちょんの間MAPが手元にあるのですが、飲食店が55も記載されてますねえ。 昔のネットは、1円にもならないのに善意(?)でこういう地図をアップしている人とかがいたのですが、この10年くらいでそういった文化は無くなっていったように思います。ネット黎明期は毒ガス製造方法とか公衆電話の番号とかウイルスとか自販機タダにする方法とか、いろんなものが無料で落ちていましたもんね。

私も南町のMAP作りたいのですが、どの飲食店が黒なのかが解りませんので作れないんですよ。少なくとも「女性募集」とか「お茶漬け」とかなってたところは買えたんだろうと思いますが、ぜんぶ確認したわけではないので。

あそこに初めて行ったのが2008年で、そのあと2010年に再訪問して以来、10年間は足を踏みいれてない気がします。まだ砂利道残ってるんでしょうか。あの道はだいぶとブルース指数が高いと思いますよ。

私が購入したところは、十字路のあたりだったと思います。店の面構えはよく覚えています。そこから移動して別のところに行きましたが、ストビューでも見られなくしてあるのでやっぱりややこしいんでしょうね。

店前でやり手のオババと話をして、顔見世するから入っていけと言われたので入ったら洞窟みたいな暗さでした。すっごいジメっとした雰囲気のバーというかスナックみたいなところで、別の中年の女がいましたが、これはこの店の商品だったのかもしれません。

いまから思うと、私が若いから同じくらいの若い女を持っているオババに連絡して引き継いでくれたのではないかと思います。プレイは旅館に行くということでしたが、旅館というのはでデマカセで、別の管轄のオババのところに回されたと。料金が妙に高かったのは、こういうことだったのではないでしょうか。しかしホテルなら25,000円とも言われたので、仮に私が「ホテル」を選択していたら25,000円でどこに連れていかれたかはちょっと気になりますね。そこのラブホで宿泊料金払ってプレイで25,000円なのかな? さすがにそれは無いと思うんだけど。

顔見世が済むと、そこからオババと一緒に移動してべつの店(オババいわく旅館)に行ったのですが、これがゴリゴリに893屋さんのところだったので多少ビビりました。中に893がいて麻雀とかしてるんじゃないかと思ったんですが、やりての婆が3人いるだけでした。そのすぐ隣の2.5畳くらいの小部屋でプレイしました。喘ぎ声とか筒抜けだったと思います。

プレイして小部屋を出るときが気まずかったですが、オババ達はいっこう気にするそぶりもなくおしゃべりを続けておりました。「いましがたセックスし終わった男を平然と見送れるオババ」と、「そんな男は直視できない美しい人生を歩んだオババ」の2種類が日本にいるんだなあと思いました。同時に、多少の羞恥心があった自分はまだ美しい部分が残っていたんだと思いました。

日本人より外人の方が可愛いとオババが言っていましたが、確かに可愛くて若いタイ人でした。



で。


本当は冒頭のコインロッカーから、これから書く部分につなげるはずだったのですが、ちょっといらんことを途中で書きすぎましたね。

えー、知っている人もいるかもしれませんが、あの事件が起こります。捜査を終えてコインロッカーへ帰ってきて、開けるとからっぽだったのです。では当時の状況を詳しくどうぞ。


やられた!!

盗まれた……。並じゃないのはコインロッカーだったのです。中に入れていたザックがありません。貴重品は身に着けているので財布はあります。無くなったのは財布とケータイ以外の所持品すべて。大した荷物はないんですが、1つだけ重要なものがあります。旅のノートが入っていたのです。これは今の私には命の次に大切なものなのです。この旅の記録がすべて書き込まれているのですから。荷物は2秒で諦めがつきましたが、ノートはあきらめがつきません。Xファイルを書くことが出来なくなってしまう。

「まだ近くに犯人がいやがるかもしれない」

そう思って、15分ほどあたりを走り回って、怪しい人物がいないかを調べました。しかし、まわりはしんと静まり返っていて、誰の気配もありません。ロッカーには防犯カメラが付いていましたが、そんなもの意味が無いのは解っています。

くっそー、神奈川県め!! 
神奈川め! 騙された! 

私は叫びました。何度も叫びました。

「だから言っただろ。神奈川県を舐めるなって」
「でも、注意を要するからコインロッカーに荷物を入れて身軽になったんだ」

二人の自分が自分の中で議論をしています。自分の中でというか、実際に声に出しながら首輪の外れた気狂い犬のように辺りを走り回っていました。

最終的には、良かれと思ってコインロッカーに荷物を入れた自分の判断が間違っていたのだから仕方がない、油断したわけではなく熟慮の結果だから。と自分を納得させ、今後取るべき行動へと頭を切り替えました。

失意の中、とりあえず交番へ向かうことにします。堀之内からここへ来るまでの道すがらに交番があったことを思い出していました。とぼとぼ交番へ行くと、これこれしかじかと中年の巡査に説明、すぐに一緒に現場へ行きましょうという事になりました。奥にいた若い巡査が「自分も行きます」と加勢してきます。これは心強いですね。おまわり2人と一緒に歩いて現場へ。歩きながら「どこから来たんですか?」「旅行ですか?」「一人ですか?」「何をされていたんですか?」と職務質問風味の質問が始まりました。そして、いつのまにか後方3mくらいの距離には3人目のお巡りが何気に付いてきています。

ああ、そういうことか。だから加勢してきたんだな‥…と思いながら、遠回しに「(南町に)観光にきて」と言ったら納得したみたいな感じになりました。深夜2時に住宅街で観光も糞もないのですが、理解してくれたようでした。そっからは、「大事なものは何が入っていた?」とか、ちゃんと被害者を見る目で見てくれましたよ。

現場につくと、巡査たちはあたりを警戒する係、となりで話しかけてくる係と、フォーメーションを組みます。私はさっそくロッカーを指差して説明を始めます。

「これです。ここに入れてですね、戻ってきてカギを開けたら空っぽで」

「カギはかけてた?」

「はい!」

「ふーん」

バタン、バタン、バタン。

お巡りが空きのロッカーを1つづつ開けて確認しはじめたので、私も同じように空ロッカーの扉を開いていったら1つ下の段に見覚えのある青いザックが入っていました。フィーバー!

「あ、あった!」ってアホみたいな声を出して、ザックを取り出します。

えっへっへ。いやあ死にたかったです。謝りましたよ。

ロッカーに荷物を入れて、勘違いして1つ下の段に200円を入れてカギをかけてしまったんですな。それで戻ってきて開けたら空っぽってそりゃそうだよ。

でもおまわりは優しかったですよ。「じゃあこれで」って帰っていきましたよ。ザック開けて中身の確認はされましたけど。

とんだハプニングですっかり疲れてしまったので、近くのサウナビッグへ入りました。 サウナで書き綴った当時のノートを見てみますと、この出来事についてこのように総括されています。

『フィーバーだよ。まったく。おどかしやがって再変動で確変じゃねーか。やっぱオレはまだまだいけるわ。』

調子にのってますね。さっきまで死にかけてたくせに。

そして次の行に、

『ブルースを感じるために!』 

と元気よく書いてありました。よかったね。


続きは次の水曜日に。


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