袋町で本サロに潜入せよ


2012年3月×日、長官より緊急指令が下りた

指令:袋町で本サロに潜入せよ

早速、捜査官が信州へ向かった。
なお、以下のファイルはすべてノンフィクションであることに留意されたい


長野県は教育県、すなわち風俗不毛地帯とされている。雑誌やなにやらにはそのように書かれる事が多いし、オレも昔はそう思っていた。

それらの論拠は「過去にソープランド建設が議会の反対で中止になった」という処にあるのだが、あまりにそれが長野風俗の紹介に多用されるため、なんかしら「長野県は風俗不毛地帯」が独り歩きしてしまっている節がある。ゆえに、オレを含めその公表スペックを信じてしまっている人たちは、長野県の面白さを知らないままになっているのだ。

だが・・・長野には裏風俗はしっかりある。誰も表には期待しておらず、でも秘められた実態を知っている人は十二分に楽しめるという、いわゆる大東音響やパル工業のマシンみたいな県なのだ。(すまん、わかる人いないな)

オレが過去に捜査した長野の裏風俗は上山田温泉(ファイルナンバー172参照)だけだが、他にも複数の都市に本サロがあるらしい。そして、外国人の連れ出し系の店も複数の都市にあるという。さらに未確認情報ながら、スクープ級のネタもある。じつは長野県は三重県とならぶ裏風俗大国ではないかとオレは睨んでいる。

捜査したいところは何箇所か有るのだが、まずは長野県上田市の袋町、ここを今回のターゲットとすることにした。ここにはピンサロがあり、うち数店舗は本サロであるという。長野在住の人からタレコミも来ており、そこには「ペパーミント」という具体的な店舗名も書かれている。他にも怪しい店が10ほどあるらしい。

是非捜査せねば。






3月のある週末、オレはある女と一緒に上田市にいた。何時もは一人で捜査するのだが、長野県は裏モノ基盤ゆえに情報が少なく、ヘタに手を出すと逆噴射して痛い目を見るかもしれないので、道先案内をして貰うのだ。女の運転するワゴンRの助手席に乗り込み、一通り廻ってもらう。この女は何処にどういった店があるかをよく知っているので、案内役にはうってつけなのだ。



女いわく、外国人を連れ出せる飲み屋があり、タイ人の店と、南米人の店があったとのこと。ただ、リーマンショックの影響で、外国人の店はつぶれてしまったらしい。上田市には工場が沢山あり、その関係で工場労働者の外国人なんかが多くいるのだ。

「このへんが繁華街だよ。怪しいお店もあるよ。古い建物もあるよ」

「ふーん」

古い建物と言うのはたぶんブルースのことを言わんとしているのだろう。若い娘さんには変態おっさんの特殊形容詞はわからんのかな。

街の外周を車でまわったあと、本格的な捜査は夜にまた来ることにして、いったん女と別れる。まずは、一人で繁華街を昼間に歩いて詳しく調べてみよう。

事前のネットでの調査では「ペパーミント」「やよい倶楽部」という2店舗が確実に本サロだったらしいが、11年の6月くらいに摘発されて2つとも潰れてしまったという。それ以降、本サロの情報は入手できていないのであるが、まず、初っ端に飛び込んできたのはこの店。



EXEという看板のこの店は面構えからしてノーマルサービスだろう。その場でネットで調べてみたら、やはりノーマルな店であることが分かった。

続いて道を隔ててこの店。典型的な妖怪屋敷系のサロンだが、残念なことに閉店している。むう・・。



さらに道を隔ててこの店。怪しい雰囲気がある。ポン引きでも出没しそうな雰囲気だ。ここは夜にもう一度来てみよう。



そして、袋町の中心部へ。なかなか古めかしい繁華街だ。高いビルなどは無く、雑居ビルばかり。ペパーミントは街の案内地図にも載っている。が、場所が解ったところでもうご臨終だから意味がない。やよい倶楽部はどこにあったのだろうか。でも、他にサロンがあるはずだ。それを探すのだ。


 

そして、この物件を見つけた。

 

サロンと思われる店が2店舗、ともに営業中である。 だが、本サロかどうか・・。

このまま入るべきか迷ったが、夜まで待つことにした。営業はしているが、もう一度女に聞いてからのほうがいい。夜になってからもう一度来ることにしよう。




上田城とイトーヨーカドーで時間を潰すと夜になった。イトーヨーカドーで女と落ち合って、女の車で再び袋町へ向かう。



時刻はまもなく24時というところ。とりあえず今日はデートということになっているので、手をつないで繁華街を歩く。狭い路地を二人してきょろきょろしてかなり挙動不審で、なおかつ女がエロい格好してきてるので、繁華街のキャッチからジロジロ見られる。

「ねえ、チンコレーダーは反応してないの?」

「うーん、どうかなあ」

まず、夜になっても客引きだけでポン引きが出没しない。これは徹底している感じだ。客引き禁止の看板がそこらじゅうにあるしなあ。

「あのへんも飲み屋だよ・・」

「うーん」

隅々まで歩いて、ターゲットを2つに絞る。出来ればここからは一人で行きたいところだが、女が着いてくるのでそのまま連れて行くことにした。まず、エステみたいな店があったところへ行ってみるが、営業していない様子。ポン引きが出没するかとも思っていたのだが、その気配は無かった。



次に本命のサロンへ向かう。ここが白だったらもう後がない。「最後まで出来ますよ」という心躍るあのセリフが聞きたい。最近はそんなセリフを殆ど聞いていないし。

この角を曲がるとターゲット、という位置まで来ると、立ち止まって財布から1万円札と千円札を数枚抜き取り、財布を女に渡した。

「え、ちょっと、あたしどうしたらいいの?」

「ちょっと行ってくるから。もし3分たっても戻ってこなかったら一人で車に戻っておいて」

そう言って、一人で潜入を試みることにした。

角をまがる。店の入り口におっさんが立っているのが見えた。接近して聞いてみる。

「此処はどういう店ですか?ピンサロですか?」

「そう、ここは口でするところ」

フェラの真似をするおっさん。鼻からは鼻水が垂れている。タダでさえ間抜けな格好なのに、フェラの真似をされたらさらに滑稽にみえる。年齢は50歳くらいか。こういう大人にはなりたくない(お前が言うな)。

「どこまでですか?」

「口で」

「それ以上はないの?」

「してない」

「他に本サロはないんですか?」

「ないね」

「昔はあったでしょ?」

「ああ、今はもうないね」

ううむ、やはりないのか。しかし、自分の店に入れたいがための発言かもしれない。遊んで行くふりをして聞いてみる。

「料金はいくらですか?」

「7000円、9000円」

でも、口だけならなあ、と帰るそぶりを見せてみる。もしかしたら特別の提案があるかもしれない。だが、残念なことにおっさんは「口だけ」としか言ってくれなかった。

仕方がないので撤収する。どうしようか。他にサロンは見当たらなかったしなあ。諦めきれないオレは、その隣のノーマルと思われる店にもダメ元で行ったが、結果は同じだった。


もう少し早く、あと1年早く来ていればと悔やまれる。


3分をオーバーしてしまったが、戻ると女はまだ寒そうに立っていた。

オレが「ダメだったよ」というと、ちょっと嬉しそうな顔をして、「どうだったの?」と聞いてくる。

さっきまでの客引きとのやりとりを聞かせてやると、

「あたしは立ちんぼと間違われて、男に接近されたよ」と。

まあ、確かに。オレも遠くから見てそう思ったし。


 あまりに立ちんぼみたいだったので撮影してみた。

「じゃあどうするの?まだ捜査するの?」

「いや、もう袋町には無いと思う。ラブホ行ってアナルセックスでもしようか?」

「え?・・うん、あたしもう我慢できなくて濡れてるの」

たまには捜査に来てゆっくり楽しいセックスをするのもいいではないか。





捜査報告書:ええ、そういうことです。



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