土橋でちょんの間に潜入せよ

2009年10月×日、長官より緊急指令が下りた

指令:土橋でちょんの間に潜入せよ

早速、捜査官が松山へ向かった。
なお、以下のファイルはすべてノンフィクションであることに留意されたい



捜査官は松山に来ていた。土橋のちょんの間に関するタレこみがあったからだ。

Nさんからのタレコミにはこのようにある。

>松山の土橋は現在、3軒は営業中です。
>定休日は19,20日で夕方6時あたりからの営業です。
>相場は¥5000から


その一方で、次のような情報もあり、本当のところはどうなのかよくわからない。

>土橋のちょんの間は二年ほど前までは営業していましたが、最近は営業していません。



まあ、潜入捜査したら明らかになるだろう。


土橋を初めて捜査したのは08年6月(ファイルナンバー118参照)。あのときは人っ子一人おらず撤収した。真っ暗でマジで怖かった。今回の捜査でスペルマ発射に成功したら、まだ5000円のちょんの間が本土にも生き残っていたということになる。そうなったらスクープだ。ニホンオオカミやツチノコが発見されたくらいの衝撃が裏風俗界に走ることは間違いない(走ってくれ)。


時刻は18時30分。伊予鉄土橋駅を目指して通りを歩く。まあ、営業してる可能性は50%くらいかな〜なんて考えながら19時に現場に到着した。たしかこの踏切を越えたあたりだったが。

 踏切があります

ふと前を見るとスナックがあった。ああ、ここだ。相変わらず真っ暗で何も見えないぞ。

 真っ暗です

接近してみる。1軒のスナックの中に女らしき物体が2つ動いているように見える。まさか・・。距離4mまで接近して暗闇を凝視する。・・・いた!間違いない!長い髪の女らしき物体が中で2体うごめいている!大変だ!土橋のちょんのまが営業している!これは大変なことになったぞ!うろたえながら次の筋を越えたところで凄い光景に出くわす。なんと!真っ暗闇の中でピンクの光が煌々と溢れているではないか!そのピンクの中に人らしき物体のシルエットが浮かんでいる。なんという光景。

(写真でお見せできないのが残念です。これはフィクションではありません)

こ、これは・・・。く、空襲警報っ・・いや、撤収!撤収!!総員退去!

500m以上は戻っただろう。大通り沿いのローソンに入って心を落ち着かせる。はあはあ、なんてことだ。これは相当てごわいぞ。天王新地以上防府未満といったところか。並みの精神ではとても突破できない。あのシルエットはやり手婆なのか?それとも商品か?なんにしても日本屈指のディープゾーンであることは間違いない。


寝るのか?あそこで。あの物体と。生きて帰ってこれるのか?いや、待て、よく考えろ!






30分後、オレは再び踏切まで来ていた。よく考えた結果は必ずこうなるのだ。踏切を越えて、まずは1本目の路地に入る。スナックからは死角になっているので、オレが路地に侵入したことは悟られていないはずだ。路地の奥まで行って土橋の全容を解明するのだ!足音を忍ばせて暗闇へ歩を進める。

そのとき、私の気配に気づいた犬が激しく吠え始めた。3匹くらいがどこか近くで鳴いているが、暗くてわからない。これで、女を買いにきた人間が路地に侵入したことが、ここにいるすべての人間に知れ渡ってしまった。

ベトナムのジャングルで、トラップに足をかけてしまい、照明弾が撃ちあがったような状況だ。藪の向こうには機関銃がずらりと並んで銃口はこちらを向いている。戦争映画なら拡声器をもった米兵が現れ、「君は完全に包囲されている」となるのだろうが、こちらはもとより玉砕覚悟で来ているのだ。

犬の鳴き声がきっかけになり、こそこそするのを諦めたオレは、まっすぐピンクの光目指して歩き始めた。どんな相手でも絶対中出ししてやると覚悟を決めて。



ピンクの光を発している建物の前。半世紀前は美しかったと思われる老女が店前に立っている。近づくと声をかけられた。

「遊びに来られたんですか?」

「ここは・・・まだ遊べるんですか?」

「遊べますよ。どうですか?」

「・・・、まだ奥にも店はあるんですか?」

「ええ、あるにはありますが」

「ちょっと奥まで見てきます」

「そうですか」

路地の一番奥までいって、どんな女がいるのか見たかったのだ。奥にも明かりをつけた店が2軒ある。中をみると老人が2名。推定50〜60歳。オレに気づいたババアが、「お兄ちゃん!」と手招きする。あれが相手になるのか。

その場に存在した4つの女らしき物体に会釈を与えて回り、オレは最初の婆の店に戻ることにした。

ゆっくりと戻ると、ババアが入口で待っていた。「おいくらですか?」と聞くと、「5000円です」という返事が返ってきた。可愛い女に「ねえ、Hしよう」と言われた時と同じくらいドキっとした。セックス1発5000円。ここにも生き残っていたのか。

「じゃあ、あがらせてもらいます」

「どうぞ」

中には黒い服を着た女が立っている。推定30代の色気のない女だ。なんだ、寝るのはこの女か。こんな若い女もいるのか。なんだか拍子抜けした。

ババアは上品なしぐさで奥へとオレを案内する。たたきで靴を脱ぐように言われ、一段あがったところで、「お金を」と言われ、5000円札を提出する。「U吉3ホ別で」とか言ってるJKには想像もできない金額だろう。諭吉じゃなくて一葉が一枚なんだから。洒落じゃないぜ。


背が低く、少し肉付きのいい女。吉本興業の漫才師でこんな女がいたような気がするが、思い出せない。

2階には洗面台と部屋が2つ、そのうちの一つは赤い光で満たされている。急角度の階段は3階まで続いている。部屋はぼろぼろで、天井には雨漏りの染みがあり、そこに裸電球がぶら下がって赤い光を放っている。畳の上には煎餅蒲団、枕もとにはゴムの入った籠がある。凄まじいブルースだ。

女は非常に無愛想で、部屋に入るなり何も言わずに服を脱ぎ始めた。会話がないので、こちらから話しかけてみる。

「ここは夜からやってるんですか?」

「・・・こういうところは朝からやってるところなんてないと思いますけど」背中を向けながら馬鹿にしたように言われる。

そんなにセックスするのが嫌か?よし、それではオレが楽しいセックスにしてやろう。こんな刹那なセックスにも僅かな愛があることを教えてやる。

急いでこちらも服を脱いで全裸になる。女は何も言わずに座っている。早く寝ろってか。布団に仰向けに寝転がると、無言のままフェラが始まった。テクは中の下くらい。で、60秒くらいすると女は何も言わず離れ、背中を向けてマンコに自分の唾液をつけて、布団に股を開いてねころがった。早く入れろってか。

オレは心の中で苦笑いしながら、勃起したチンコをマンコにすりつけた。そのとき女は手を添えて穴に誘導しようとしたが、オレがわざとそうしていることに気づき、その手をはなした。 しばらくすりつけて馴染ませた後、ゆっくりと亀頭を埋没させる。亀頭がスムーズに出入りするようになると、奥まで入れる。あまり粘り気のないマン汁だ。ゆっくりピストンする。女は声を出さないが鼻息が荒く、まるで足を縛られた猪みたいだ。

顔を見ないように、そして結合部も見ないように。ぼんやり壁を見ながら、ピストンする。 ちらっと女の顔を見てみる。目をつぶり、一生懸命に口を閉じている。鼻息だけ荒い。

さあ、どうしようか。マンコはさほどよいものではなく、興奮する要素は少ない。頭の中は驚くほど冷静で、獣姦しているみたいだなあ・・とか、早く射精してしまったほうが病気になる可能性が少ない・・とか、そんなことばかり考えてしまう。

そんな雑念を振り払い、楽しいセックスをするにはどうすればいいかを考える。やはり、ここで体位を変えたりしてはいけないだろう。フレームとしては優しく正常位で、それでいて出来るだけ早く射精するのがいいのではないか。

腰を止めると、女が自ら腰を合わせてくる。一応こちらが気持よくなるように気を使ってくれているのか、それとも気持ち良くなっているのか・・。様子をうかがいながらゆっくりピストンする。

女の鼻息と、オレの手を握る圧力が高まってきたときを見計らって、発射することにした。「気持ちいい、もういくね、中でもいい?」女は「いいよ、中に出して」と、かすかに聞こえる声で言ってくれた。オレも、「ああ、きもちいい。きもちいいっ」と演技しながらピストンを速めて発射した。

しばらく抜かずにいたが、女も特に何も言わずにそのままの状態を保っていてくれた。ティッシュをあてて、抜くよ?といってヌルンと抜く。

女はオレにウェッティを手渡してくれ、ゴミ箱も近くに寄せてくれた。そして、驚くべきことに、「四国の人じゃないね?」と笑顔で話しかけてきたのだ。

話を続ける女。挿入前とは打って変わって笑顔である。ちょっとは心を開いてくれたのかな。 服を着てからもしばらく会話が続き、帰る時も「明日はいろいろ松山を回ってみてください」と玄関まで送ってくれ、さらに「お茶と珈琲とコーラどれがいいですか」と聞かれ、お茶の缶を手渡してくれた。

その光景を横で見ながら、やり手ババア(たぶん商品じゃないと思う・・たぶん・・)も、モナリザの微笑くらいの表情で立っていた。




全てが終わった時は20時37分だった。



真っ暗やみの中でピンクの光が漏れる光景は怪しさを超越して美しくさえあった。あたりは本当に真っ暗なのだ。高感度カメラを持っていたが、ほとんど写らなかった。




昼間の様子。これ、ちゃんと現場を捕えた写真なんですが、凄過ぎてどこが現場なのかわからないですね。でもこれが現場なんですよ。夜だったらリアルお化け屋敷ですよ。向いは小学校と病院。北海道の月寒みたいに、その一角だけが世の流れから取り残されてアナザーワールドになっている。この土橋のちょんの間の由来については、「消えた赤線放浪記・ミリオン出版」に松山市駅の近くにあった青線があるとき移転させられてできた新開地だという一文があった。(*)



松山にはあと2か所のブルーススポットがある。


 ネオン坂

道後温泉ネオン坂は元遊郭で、そのあと赤線→ちょんの間になっていたが、今はほぼ壊滅状態。ネオン坂の看板もアーチも無くなってしまった。ブルース指数の高いゲートだったのに残念である。まあ、今後は美しい観光に力を入れたいということなんだろう。その一方でソープのある西側は、ヘルスなどがどんどん進出してにぎやかになっている。この状態の方がイメージダウンになりそうだけど。

 千舟町

もう一つあるちょんのまの、千船町の方の由来は、遊郭なのかなんなのかわからない。08年に捜査した時(ファイルナンバー117)は青線由来かと思ったが、調べると3番街には昔遊廓があったらしい。なんにしても相変わらず夜になるとポン引きが出没し、盛んに客を引いていた。

 ポン引きがターゲットに接近する瞬間


さらにさらに、この近辺に「居酒屋の看板をあげたちょんの間」が複数あるという情報もあったが、これは発見できなかった。


なかなか奥が深い街である。松山。


(*)消えた赤線放浪記 その色町の今は……



捜査報告書:特別天然記念物の裏風俗で5000円也



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